セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル

PSE後に3剤併用IFN治療をおこなったC型慢性肝炎の1例

演者 黒木 一峻(広島赤十字・原爆病院 肝臓内科)
共同演者 吉良 臣介(広島赤十字・原爆病院 肝臓内科), 森 奈美(広島赤十字・原爆病院 肝臓内科), 相坂 康之(広島赤十字・原爆病院 肝臓内科)
抄録 はじめに:1b型高ウイルス量のC型慢性肝炎の標準治療は3剤併用IFN治療が推奨されているが、治療中の血小板低下のため治療に難渋することがある。 血小板低下症例に対しては部分的脾動脈塞栓術(PSE)が有効とされているが、PSE 後の3剤併用IFN治療の報告例はまだない。 今回PSE後3年半目に3剤併用IFN治療を行った症例を経験したので治療経過を報告する。 症例は45歳の男性。HCVは1bTaqMan6.4 Core70/91=wild/wild ISDR:1 IL28rT/T ITPA C/C。 2001年39歳時に肝障害指摘され、近医でSNMC注射していた。 精査加療目的に2007年当科紹介。 血小板2.7万と低値で巨脾を認めた。 将来のIFN治療のための血小板増加目的に2008年9月PSE施行し血小板10.2万まで増加した。 しかし多忙の為IFN治療できず、瀉血にてALT低値維持していた。 2009年HLBI自己注射したが効果なく中止し、その後も瀉血治療は継続してALT低値維持し血小板数は11~12万であった。3剤併用IFN治療目的に2012年1月16日入院し、同日からテラビック9Tレベトール600mgペグイントロン80μg開始。8週目でHCVTaqManケンシュツセズとなった。 血小板数は徐々に低下し12週目に5.4万となったためテラビック6Tへ減量し、12週目に4.9万と低下。 12週でテラビック終了しレベトール400mgへ減量したままで血小板数は7万まで徐々に増加し、HCVTaqManケンシュツセズを維持し、途中治療中断することなく予定通り6ヶ月目で治療終了した。 3剤併用IFN治療終了後2ヶ月目もHCV TaqManケンシュツセズである。 結語: Core70・IL28rを測定し治療効果が高いことが予想された血小板低値C型慢性肝炎症例にあらかじめPSEを行い、3剤併用IFN治療を6ヶ月間中断する事なく完遂することが可能であった。
索引用語 PSE, 3剤併用IFN治療