セッション情報 一般演題

タイトル

肝門部胆管癌の早期発見にPET-CTが有用であった一例

演者 山根 亜紀(中電病院 内科)
共同演者 鍋島 由宝(中電病院 内科), 石飛 朋和(中電病院 内科), 金 宣眞(中電病院 内科), 河村 寛(中電病院 内科), 小出 圭(中電病院 外科)
抄録 【はじめに】今回我々は、人間ドックのPET-CTを契機に無症状の早期肝門部胆管癌を発見し、根治切除をし得た1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】75歳、女性。【既往歴】22年前に胆石で胆嚢摘出術。【経過】人間ドックのPET-CTで肝門部にFDGの集積を認め、当科紹介。精査の造影CTで肝門部に軟部陰影と左肝内胆管の拡張を認めた。ERCPではB4,B2+B3の分岐部に扁平隆起性病変を認め、複数回の胆汁細胞診を繰り返し、最終的にClassVの診断を得た。肝門部胆管癌と診断し、肝左葉切除術を施行した。病理組織所見は、管内乳頭状増殖を示す高分化腺癌であり、胆道癌取扱い規約では、Bh 乳頭浸潤型, S0, Hinf0, H0, PV0, A0, P0, N0, stageIだった。術後補助化学療法としてGEMを施行し、現在27ヶ月間無再発生存中である。【考察】肝門部胆管癌は浸潤性が強く、早期に肝内転移をきたしたり、高率にリンパ節転移、神経周囲浸潤を起こすため、一般にその予後は不良である。画像による早期発見は困難であり、胆管癌におけるPET-CTの役割については、現在定まった見解が得られていない。今回我々は、検診のPET-CTを契機に無症状の早期肝門部胆管癌を発見し、根治切除し得た症例を経験した。肝門部にFDG集積を認める場合には、肝・胆道系悪性腫瘍の可能性も考慮して二次精査を進めるべきである。
索引用語 PET, 早期胆管癌