セッション情報 一般演題

タイトル

(内)傍乳頭憩室症( Lemmel症候群 )の1例

演者 塚崎 久美(熊本大学 医学部 第一内科)
共同演者 吉松 眞一, 楢原 智子, 山崎 雅史, 安藤 正幸
抄録 症例:68歳、女性      主訴:嘔気、嘔吐、黄疸既往歴:9歳膀胱炎、53歳胃ポリープ、下垂体腺腫手術家族歴:姉に高血圧症    嗜好歴:喫煙歴(-)、飲酒歴(-)現病歴:平成12年4月2日軽度の嘔気、嘔吐出現。翌日、近見医院を受診。胆道系酵素上昇、肝機能異常を認め入院。入院後は自覚症状軽減。肝機能障害以外は問題なく、抗生剤は使用せず無治療のまま翌日には炎症反応も改善し4月18日退院。4月29日夕食後再び嘔気、嘔吐、上腹部痛が出現し近見医院を再受診。理学所見上問題はなく、経過観察となった。5月1日肝機能異常及び黄疸が認められ5月2日精査のため当科紹介入院となる。入院時現症:身長 153.7cm、体重 53.5kg、体温36.6℃、血圧117/80mmHg, 脈拍84/分・整。身体所見は球結膜に黄疸を軽度認めたが、貧血は認めなかった。表在リンパ節は触知しなかった。心音は清、雑音を聴取せず。肺野もラ音、濁音等聴取せず。腹部では心窩部に軽度圧痛を認めた。腫瘤、肝脾を触知せず。四肢は特に異常を認めず。入院時時WBC4200, CRP6.63, T-bil2.9, GOT210, GPT299, LDH355, LAP183, γGTP552肝胆道系酵素の上昇を認めた。 十二指腸内視鏡検査では、Vater乳頭近傍に憩室の開口部を認め、経口十二指腸造影十二指腸下行脚に直経3cm大の有茎性の憩室を認めた。ERCP, MRCPでは傍乳頭憩室による下部総胆管の圧排を認め傍乳頭憩室症が疑われた。本症例は傍乳頭憩室による下部胆管の圧排が原因で胆道感染をおこしたと考えられ傍乳頭憩室症(Lemmel症候群)が疑われた。診断にはMRCPが非侵襲的で有用であった。
索引用語 傍乳頭憩室症, MRCP