セッション情報 | パネルディスカッション20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)大腸EMR / ESDの現状と適応 |
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タイトル | 内PD20-13:大腸腫瘍性病変に対する内視鏡切除法の選択 |
演者 | 本間 清明(日本海総合病院・治療内視鏡科) |
共同演者 | 大滝 雄造(日本海総合病院・治療内視鏡科), 今泉 和臣(日本海総合病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】 内視鏡診断や切除の能力が向上し多様化する一方、術者の能力や機材はすべて同一の状況下にはなく、限られた中でいかに良好な結果を効率的に得るかが課題である。その中で、術前診断と病理評価によって最善の診療方針を検討することが内視鏡診療の最大の目的と考え、地方一般病院としての当院の実際を検証する。 【方法】 病変の取り扱いに変化のない2008年~2011年の間、当院で内視鏡切除された大腸腫瘍8367病変を対象とし、消化器内科(医師7名)で主に病変径20mm弱までの7356病変を、治療内視鏡科(同1名)で拡大観察された大型・特殊病変1011病変を切除した。LST-G(顆粒均一型)と表面変化に乏しいSSA/PはEPMRを、他のEMRで一括切除しえない病変はESDを選択し、癌症例、EPMR例、ESD例は半年後に経過観察を行った。 【結果】 EMRは7988病変、EPMR(EMR試行も結果的にEPMRとなった例も含む)は185病変、ESDは194病変に対して施行された。後出血21例、穿孔3例を認めた。一括切除率は、消化器内科97.7%、治療内視鏡科98.2%で、一括切除しえた病変はすべて詳細な病理検討を加えられた。局所再発例を3例認め、全てEPMR例であった。ESDでは、平均切除径48.2mm、平均術時間46分、後出血2例、穿孔1例であった。 【考案】 消化管を専門としない医師も術者となりえ、全例に拡大観察しえない状況においては、役割分担が重要である。当院も、病変と手法の観点から役割を分担したが、上記結果より先述の目的は達していると考えた。 手法の工夫では、遭遇頻度の多い小型の隆起・表面隆起型腫瘍に対し、対極板が不要でこれに特化した15mm径バイポーラ式スネアを開発し効率性を向上した。また、ESDは全切除の2.3%を占めるのみであったが、SBナイフの併用により手技は安定化して緊急手術例は認めず、Zeoクリップによる創部完全縫縮が可能であった184病変では後出血を認めなかった。 今後の革新によっても役割分担は変化するものと考え、今後も向上を目指して診療にあたりたいと考えている。 |
索引用語 | EMR, ESD |