セッション情報 シンポジウム1.

食道・胃接合部腺癌とパレット腺癌の新展開

タイトル

S1-01 食道及び胃噴門腺の分布とその意義

演者 中西幸浩(国立がんセンター研究所病理部)
共同演者 下田忠和(国立がんセンター中央病院臨床検査部)
抄録 目的:食道及び胃噴門腺の分布とその意義を明らかにする目的で食道胃接合部の組織構築を検索した.方法:食道胃接合部にがん浸潤が及ばない食道がん切除材料131例を対象に全割標本を作製して胃及び食道噴門腺の長さ及び円柱上皮島の頻度tパレット食道の頻度及びパレット食道における杯細胞化生の有無に関して検索した.結果:胃噴門腺は全例に認められ食道噴門腺は125例(95%)に認められた.胃及び食道噴門腺の平均長はそれぞれ13mm(range 2-64mm)及び4mm(range 1-26mm)であった円柱上皮島は75例(57%)に認められた.Short segmentパレット食道が70例(53%)に認められた.パレット食道において杯細胞化生は28例(21%)に認められた.パレット食道症例における食道噴門腺の平均台は6mmで非パレット食道症例の平均長3mmより有意に長かった(P<0.0001).パレット食道症例70例における円柱上皮島の出現頻度(48例(69%))は非パレット食道症例61例における円柱上皮島の出現頻度(27例(44%))より有意に高頻度であった(P=0.005).結語:食道噴門腺及び円柱上皮島がパレット食道の発生に重要な働きをしている可能性が示唆された.パレット食道における杯細胞化生の頻度は高くなかった.
索引用語