セッション情報 |
シンポジウム1.
食道・胃接合部腺癌とパレット腺癌の新展開
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タイトル |
S1-02 拡大内視鏡による血管パターンおよび酢酸を用いたchemical dynamic endoscopyによるBarrett食道癌の診断の検討
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演者 |
八木一芳(新潟県立吉田病院内科) |
共同演者 |
中村厚夫(新潟県立吉田病院内科), 関根厚雄(新潟県立吉田病院内科) |
抄録 |
【目的】Barrett食道腺癌は存在診断範囲診断の難しい病変が多い.当院では以前から拡大内視鏡診断酢酸散布による診断を行ってきたその有用性をまとめた【方法】2000年から2007年まで9例の早期Barrett食道癌(粘膜内または粘膜下層)を経験し2例を外科的手術4例をESD2例をEMRで治療した.1例は基礎疾患の関係で治療を行わなかった.全例に拡大内視鏡を施行しており4例に酢酸散布によるdynarnic chemical endoscopyを行っている拡大による血管パターン診断と酢酸散布の有用性について検討した.【成績】通常内視鏡から癌と診断し範囲診断できた病変は2例血管パターンから癌と診断でき範囲診断を行った病変は3例酢酸を用いて癌の存在診断と範囲診断を行った症例は2例血管パターンと酢酸の両者から存在診断と範囲診断を行った症例が2例であった.血管パターンでは不整な無方向性な血管またはMeshpatternを呈する血管の部分を癌と認識することが重要であった.特に一見規則的に見えるMeshを形成する血管像は高分化型腺癌であり切除標本からもネットワーク状のMesh様血管が確認できた.拡大観察で血管パターンまたは粘膜模様がはっきりしない病変に対しては酢酸が有用であった.酢酸を用いたdynhamic chemical endsocpyによる診断のポイントは早期相では小型の癌腺管からなる粗造な粘膜パターンの出現を観察すること後期相では癌部が周囲の非癌粘膜よりも早く白色エンハンスが消失することを観察することであった.2例の腺癌は比較的広い病変であったがdynamic chemical endoscopyが大変有用でありその特徴的な画像を提示したい.【結論】Barrett腺癌の存在診断には拡大内視鏡を用いた血管パターン診断および酢酸を用いたdynamicchemical endoscopyが有用であった.両者をうまく組み合わせることで腺癌の早期発見は容易になると考えられた. |
索引用語 |
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