セッション情報 シンポジウム1.

食道・胃接合部腺癌とパレット腺癌の新展開

タイトル

S1-05 食道胃接合部癌の病態及び臨床病理学的検討

演者 堀井享(東北大学消化器内科)
共同演者 小池智幸(東北大学消化器内科), 大原秀一(東北大学消化器内科)
抄録 【目的】食道胃接合部癌にはBarrett腺癌に近い病態と胃癌に近い病態が混在しているものと思われる.Barrett食道癌を含む食道胃接合部癌の酸分泌を中心とした病態及び臨床・病理学的特徴を検討した.【方法】食道胃接合部の腺癌において病変の粘膜下層に固有食道腺を認めるものまたは病変の肛門側にBarrett粘膜を認めるものをBarrett食道癌確診例(B群)とした.また食道胃接合部の腺癌で病変が食道胃接合線にまたがりかつBarrett食道癌確診例を除外したものをそれ以外の食道痛接合部癌(E群)と定義した.Barrett食道癌確診18例およびそれ以外の食道胃接合部癌19例を対象とし肉眼型組織型逆流性食道炎・H.pylori(Hp)感染の有無などについて検討した.また胃酸分泌能をEGT(mEq/10min)により測定しコントロール80例およびEMRを施行した早期胃癌34例と比較検討した【結果】B群・E群ともに圧倒的に男性に多く肉眼型は比較的隆起型が多かった.B群ではE群に比しBMIおよび飲酒・喫煙率が高い傾向にあった.組織型はB群で8&2%E群で57.9%が分化型であった。逆流性食道炎はB群の333%E群では10.5%に存在した. Hp感染率はB群47.1%E群52.6%早期胃癌群9L2%コントロール群71.2%を示した.EGT値はB群4.15E群3.71早期胃癌群O.79コントロール群1.83とB群およびE群で;有意に高い酸分泌能を示した.またE群においてはHp感染例でEGT値が有意に低値を示した(Hp陽性:陰性=2.01:5.17)がB群においてはHp感染の有無でEGT値に有意差は認められなかった(3.07=4.99).【結論】Barrett食道癌を含む食道胃接合部癌は胃酸分泌能が保たれていた.Barrett食道癌以外の食道胃接合部癌ではHp感染例で有意に酸分泌能が低値を示した賦Barrett食道癌ではHp感染の有無にかかわらず酸分泌能が保たれていた.
索引用語