セッション情報 |
シンポジウム2.
低用量アスピリンと消化管病変
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タイトル |
S2-02 低用量アスピリン服用者における経過観察中の消化管傷害について-448例における検討-
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演者 |
山本貴嗣(帝京大学医学部内科) |
共同演者 |
石井太郎(帝京大学医学部内科), 久山泰(帝京大学医学部内科) |
抄録 |
【目的】近年動脈硬化性疾患の増加に伴って低用量アスピリン(LDA)を服用している症例が漸増しその消化管傷害が臨床的に問題になっている.しかしわが国においては疫学データが十分でなく特に経過観察例における研究はほとんど見られない今回我々はLDA服用者を対象に経過観察を行い消化管におけるイベントの発症について調査した.【方法】2005年1月から2006年12月の間に当科にて上部消化管内視鏡検査を行ったLDA服用者の中で検査終了後1ヶ月以上LDAの服用継続が確認できた448症例(男性252例女性196例69.4±11.1歳)を対象とした.医療記録より2007年9月末時点での転帰(生存死亡転医など)処方変更消化管出血・穿孔の有無を確認した.【結果】観察期間は2-33ヶ月継続観察可能は370例観察中断は78例(処方中止35例転医29例死亡14例)であった.経過中の消化管イベントは上部消化管出血2例(出血性胃潰瘍食道静脈瘤破裂)下部消化管出血3例(大腸憩室出血3例)消化管穿孔1例(空腸)であり小腸出血が疑われる症例は認めなかった.【結論】食道静脈瘤からの出血を除くと上部消化管粘膜傷害による出血は1例のみであり比較的低頻度であった.一方で大腸憩室出血が3例認められ臨床的により問題であると考えられたまた原病増悪による死亡例が消化管イベントの2倍程度あることから原疾患の治療がより重要であることが再認識された.なお更に観察期間を延長していく予定である |
索引用語 |
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