| 抄録 |
【目的】脳梗塞の二次予防には抗血小板薬抗凝固薬が用いられる.アスピリンはその中心となる薬剤であるがアスピリンの消化管障害が問題となっている.今回脳梗塞患者においてアスピリンの使用者と非使用者で胃十二指腸潰瘍及び康燭の頻度を比較検討した.【方法】平成17年4月から19年9月まで脳梗塞後のリハビリのため入院しスクリーニングの上部内視鏡検査が施行された142例を対象とした内視鏡にて5mm以上の粘膜次韻を潰瘍5mm未満の粘膜欠損を庭蔵としたアスピリン投与群70例(以下A群)アスピリンを投与されていない群61例(以下NA群)アスピリンを含む抗凝固薬二剤投与群11例(以下AB群)に分けたNA群の内訳はバナルジン投与22例ワーファリン投与23例プレタール投与2例ペルサンチン投与1例無投薬13例であった.A群とNA群さらにA群の抗潰瘍薬併用例と非併用例で粘膜欠損を比較検討した.【結果】平均年齢はA群76.ONA群74.4.背景(年齢性喫煙症状抗潰瘍薬併用の有無)には有意差なし.アスピリン投与量は全例バイアスピリン100mgであった. A群は潰瘍4例(5.7%)事業14例粘膜欠損計18例(25.7%)NA群は潰瘍2例(3.3%)廉燗2例粘膜欠損計4例(6.6%)AB群は潰瘍2例(182%)廉燗4例粘膜欠損計6例(54.5%).A群の抗潰瘍薬併用例は23例で潰瘍1例(4.3%)廉燗3例粘膜欠損計4例(17.4%)抗潰瘍薬非併用例は47例で潰瘍3例(6.4%)廉燗11例粘膜欠損計14例(298%)であった.A群とNA群の間で粘膜欠損に有意差を認めたが潰瘍には有意差を認めなかった.A群の抗潰瘍薬店用例と非併用例では粘膜欠損に有意差を認めた.【結論】脳梗塞後にアスピリンを投与している患者の257%に内視鏡検査で胃十二指腸粘膜欠損を認めた.抗潰瘍薬非併用例では29.8%であった.粘膜欠損は抗潰瘍薬併用により減少した. |