セッション情報 |
シンポジウム2.
低用量アスピリンと消化管病変
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タイトル |
S2-08 H.pylori陰性若年健常ボランティアに対する低用量アスピリンによる胃粘膜障害とPPI併用による予防効果と胃内pHの検討
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演者 |
西野眞史(浜松医科大学内科学第一講座) |
共同演者 |
杉本光繁(浜松医科大学内科学第一講座), 古田隆久(浜松医科大学臨床研究管理センター) |
抄録 |
【目的】近年高齢化社会を迎え低用量アスピリン(以下L-Asp)の定期内服者は確実に増加しL-Asp内服に起因した胃粘膜障害の発生率が増加することが予想され適切な予防法の確立が必要である.演者らはH.pytort wa性健常ボランティアに対するL-Asp短期投与による胃粘膜障害やプロトンポンプインヒビター(以下PPD併用による粘膜障害の予防効果と胃内pHの関係を検討した.同時にPPIの代謝に与えるCYP2C19の遺伝子多型についてもPPIの予防効果に影響を与えるかを検討した.【方法】H. pylori陰性の健常ボランティア15名を対象とした.プラセポ群PPI内服L-Asp(バイアスピリン100mg)内服L-Asp・常用量PPI(rabeprazole10mg)併用内服L-Asp・高用量PPI(rabepra・zole40mg)併用内服を行い内服7日目に上部内視鏡検査と24時間胃内pHモニタリングを行い評価した.内視鏡所見の評価にはmodifiedLANZA score(以下MLS)を用いた.【成績】MLSはプラセポで中央値0(O-2)L-Asp内服にて中央値1(0-4)とMLSは有意に上昇したが常用量PPI併用にてMLSは0(0-2)と有意に低下し高用量のPPIにてMLSは0(0-1)と更なる改善を認めた. L-Asp内服L-Asp・常用量PPI併用内服とL-Asp・高用量PPI併用内服の3群をまとめ平均胃内pHとMLSとの相関の検討では有意な逆相関関係を認めた.CYP2C19の遺伝的多形性によるPPIの粘膜障害抑制効果に有慧な差は認めなかった【結語】短期間のL-Asp内服に対しPPIを併用することで胃粘膜障害の改善を認めた.MLSの改善は胃内pHの上昇と相関関係を認めL-Asp投与における酸分泌抑制の重要性が示された. |
索引用語 |
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