セッション情報 シンポジウム2.

低用量アスピリンと消化管病変

タイトル

S2-09 低容量アスピリンの上部消化管粘膜に及ぼす影響

演者 河合隆(東京医科大学病院内視鏡センター)
共同演者 山岸哲也(東京医科大学病院内視鏡センター), 森安史典(東京医科大学病院消化器内科)
抄録 【目的】低用量アスピリンは虚血性心疾患および脳血管障害の予防というメリットと同時に消化管粘膜障害および出血が起こすデメリットの両者があり問題となっている.しかしながら低用量アスピリンの粘膜障害の発生機序・期間に関する詳細な検討はない.そこで今回我々は低用量アスピリン内服後経時的に内視鏡を行い粘膜傷害の出現の程度を検討した.【方法】対象はH.pylori陰性ボランティア20人.平均年齢は24.9歳.男女比は4:1.アスピリン100mg(バイアスピリンR)を7日間連続投与しtアスピリン単独群アスピリン+rebamipide(300mg/day)群にランダムに分類した内視鏡検査は循環動態に影響の少ない細径経鼻内視鏡検査を選択した.内視鏡はアスピリン内服前内服2時間6時間24時間72時間7日後に行った.内視鏡所見としては発赤びらん点状出血および潰瘍の有無をスコア化した.【成績】アスピリン単独群において全体粘膜障害スコアの経時的推移は前:3.52時間:4.26時間:4.924時間:7.072時間=15.0と時間経過とともに増加するも7日には:8.9と低下しすべての粘膜障害は改善・消失を認めたアスピリン投与後新たな病変の出現率は発赤70%びらん50%点状出血60%であった.部位としては十二指腸球部に最も多かった.なお潰蕩は小さな潰瘍を1例のみ認めた.Rebamipide併用群では新たな病変の出現率は発赤10%びらん60%点状出血40%であり潰瘍は認めなかった.【結論】アスピリン投与による急性消化管粘膜障害は24-72時間後にピークがありその後全例改善した.粘膜防御因子製剤であるRebamipideにおいても粘膜障害改善傾向が認められた.
索引用語