セッション情報 |
シンポジウム2.
低用量アスピリンと消化管病変
|
タイトル |
S2-12 低用量アスピリン服用に伴う上部消化管小腸病変の現状
|
演者 |
小森真人(関西労災病院内科) |
共同演者 |
日山智史(関西労災病院内科), 伊藤敏文(関西労災病院内科) |
抄録 |
【目的】2000年に保険適応を取得して以来虚血性心疾患や脳疾患の二次予防として低用量アスピリン(81-100mg/日)を用いる機会が急増しており当院においても年間約500症例に新規投薬が開始されている従来低用量アスピリンと上部消化管病変に関する疫学研究の報告は多いが小腸病変に関してはその診療の困難性からか殆ど報告されていない近年カプセル内視鏡(CE)やダブルバルーン内視鏡(DBE)の登場により小腸病変の診療は飛躍的に向上した.我々は当院における低用量アスピリン服用に伴う上部消化管小腸病変の現状につき検討を行った.【方法】対象は2004年4月から2007年9月までに緊急内視鏡的止血術を施行した上部消化管出血181症例(食道・胃静脈瘤破裂は除く)上部・下部消化管内視鏡検査にて出血源不明の消化管出血(OGB)症例に対しDBEを施行した小腸出血123症例である.【結果】上部消化管出血181症例の内出血性潰瘍は145症例中でも低用量アスピリン服用症例は33症例(18%)であり2007年9月の当院総受診患者中の低用量アスピリン服用症例の率(16534人中750人4.5%)に比し有意に高かった出血性潰瘍の内訳は出血性胃潰瘍119症例出血性十二指腸潰瘍26症例中でも低用量:アスピリン服用症例は各々19症例(16%)7症例(27%)であった.またOGIB123症例の出血源同定率は77症例(63%)tその内潰瘍・廉燗性病変は33症例(43%)であり中でも低用量アスピリン服用症例は3症例(9%)であった.【結論】低用量アスピリンにより胃・十二指腸潰瘍による上部消化管出血のリスクは有意に増加するまた小腸病変による消化管出血のリスクも増加する可能性がある事が示唆された.低用量アスピリン服用に伴う上部消化管小腸病変の現状に加え下部消化管病変の現状また各々部位による相違について報告するさらには消化管出血(上部・小腸・下部)における他のNSAH)s肝硬変・腎不全等の基礎疾患の関与等についても我々の知見をもとに若干の文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |
|