セッション情報 |
シンポジウム3.
H.pylori除菌治療の適応拡大
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タイトル |
S3-06 組織学的胃炎が強い特発性血小板減少性紫斑病においてHelicobacter pylori除菌治療効果が期待できる
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演者 |
井上和彦(松江赤十字病院総合診療科) |
共同演者 |
遠藤章(松江赤十字病院血液内科), 大居慎治(松江赤十字病院血液内科) |
抄録 |
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の胃粘膜状態からHelicobacter pylori(Hp)除菌効果を予測しうるかどうかを検討した.【対象と方法】ITP63例(男性26例女性37例26-95歳平均62.4歳)を対象とした.Hp感染診断はUBTで行ったまた可能な限り内視鏡検査を行い血小板数3万/iLl以上では体上部大鋸と前庭部大義から生検し組織学的胃炎をシドニーシステムに準じ評価した(none:0mild:1moderate:2severe:3とスコア化した).血清ペプシノゲン(PG)値の測定も行った. Hp陽性例ではLansoprazoleAmoxicillinClarithromycinによる除菌治療を行った除菌治療後血小板数が前値の2倍以上かつ8万/pl以上に増加した症例を有効例と判定した.そして有効例と無効例における治療前の胃粘膜について比較検討した.なお本研究は当院倫理委員会の承認を得て行った.【成績および結論】ITP63例のうち41例(65.1%)にHp感染を認め39例で除菌治療に成功した.除菌成功39例のうち有効例は20例(男性9例女性11例37-88歳平均63.3歳)無効例は19例(男性9例女性10例31-84歳平均61.2歳)であった.前庭部activityは有効例で1.67±O.23であり無効例のO.75±0.25に比べ有意に高かったまた体部activityも有効例で1.63±0.18であり無効例のO75±O25に比べ有意に高かった前庭部in且ammationも有効例で2.44±0.18であり無効例の15±0.29に比べ有意に高く体部inflammationも有効例で225±016であり無効例の1.5±0.29に比べ有意に高かったPGIは有効例で75.4±15.3ng/ml無効例で52D±6.7ng/mlと有意差は認めなかったがPGHは有効例で38.5±6.9ng/mlであり無効例の22.7±28ng/mlに比べ有意に高かった.なおUBTとPA-IgGは有効例と無効例で有意差はなかった.以上.よりHp感染に伴う組織学的胃炎が強い症例においてHp除菌治療の有効性が高い可能性が示唆された. |
索引用語 |
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