セッション情報 |
シンポジウム3.
H.pylori除菌治療の適応拡大
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タイトル |
S3-10 胃粘膜萎縮がBMIと動脈硬化に与える影響
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演者 |
鳥巣剛弘(九州大学病態機能内科) |
共同演者 |
松本主之(九州大学病態機能内科), 飯田三雄(九州大学病態機能内科) |
抄録 |
【目的】ヘリコバク憂心・ピロリ(HP)は様々な消化器疾患を引き起こすが近年消化管外病変を惹起することも報告されている.中でも心血管病変が注目されているが未だ一定の見解は得られていない.またHPの除菌により心血管病変に関わる体重が増加することが報告されているがHP感染とBody mass index(BMI)の関係を検討した疫学調査は少ない.そこで我々はHPや胃粘膜萎縮とBMIや動脈硬化との関連を検討した.【方法】対象者は北九州市近郊の地域住民のうち研究に同意した617名である(年齢;60-81歳性別;男性290名女性327名).全員に問診身体測定採血を行ない満60歳と65歳の対象者393名は動脈硬化の指標である脈波測定(PWVおよびCAVI)を行った. HP-lgGによりHP感染の有無ペプシノーゲン法により胃粘膜の萎縮を判定した.【結果】BMIは且P感染群で非感染群に比べ低値の傾向にあったが有意差は認めなかった.しかし萎縮の有無で検討すると萎縮群は非萎縮群に比べBMIが低潮であった(23.45±2.99vs 24.18±3.18 P=0.005)動脈硬化に関してもPWVとCAVIの両者でHPの感染の有無では有意差はなかったが萎縮群は非萎縮群に比べPWV(16.67±O.34 vs 15.66±025 P= O.O16)CAVI(&64±0.11vs 8.29±0.08 P=0.01)とも高値で動脈硬化が進行していた.またHP感染陽性者を萎縮群と非萎縮群に分類すると前者でBMIが有意に低くPWVとCAVIが有意に高かった. i萎縮性胃炎陽性者で動脈硬化が進行した要因としてHDLコレステロールがの低値が抽出された.【結語】HP感染の消化管外徴候として注目されているBMIの減少および動脈硬化の原因はHP感染それ自体ではなく胃粘膜萎縮に起因する可能性が示唆された. |
索引用語 |
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