セッション情報 |
シンポジウム4.
Rome
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タイトル |
S4-01 胃の伸展痛の伝達メカニズムの解析-ラットモデルにおけるERK1/2の活性化の関与-
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演者 |
櫻井淳(兵庫医科大学内科学上部消化管科) |
共同演者 |
小畑浩一(兵庫医科大学解剖学講座神経科学部門), 三輪洋人(兵庫医科大学内科学上部消化管科) |
抄録 |
【目的】機能性ディスペプシアへの関心の高まりとともに内臓痛発生のメカニズムへの興味が深まってきているがその機序には未だ不明な点が多い.今回我々はラットの胃に伸展刺激を加えることにより』その痛みがどの求心路を介して伝達されるかさらに細胞内情報伝達系のMAPKファミリーの一員のERK1/2の活性化がこの痛みとどのように関連するかを検討した.【方法】雄性S-Dラットを用いた胃内にバルーンを留置した後浅麻酔下でバルーンを膨らませ僧帽筋での筋電図を記録し痛みの指標とした胃の伸展刺激を加えて2分後に脊髄後根神経節(DRG)(Th910)および迷走下神経節(NG)を摘出しERK1/2活性化の指標であるリン酸化ERK1/2に対するpolyclonal抗体を用いた免疫染色を施行しさらにTRPV1ASIC3との二重染色を行った.また内臓神経または迷走神経を選択的に切除し胃への侵害伸展刺激に対する筋電図の変化を測定した.加えてERK1/2活性化阻害剤(UO126)を髄腔内投与しt痙痛関連動作の変化をみた.【結果1胃の伸展刺激後の筋電図の変化は圧依存的に大きくなった.またDRGおよびNGにおいてリン酸化ERK1/2陽性細胞は圧依存的に増加しリン酸化ERK1/2陽性細胞はTRPV1およびASIC3と高率に共存していた.また内臓神経の選択的切除により胃への侵害伸展刺激に対する筋電図は有意に低下したが迷走神経の選択的切除では有意な筋電図の変化は認められなかった.さらにUOI26の髄腔内投与により胃への侵害伸展刺激に伴う痔痛関連動作は有意に低下した.【結論】DRGおよびNGにおけるリン酸化ERKI/2の活性化が胃の伸展刺激により発現する痔痛と関連している可能性が示唆された.また胃への侵害伸展刺激に対する知覚経路として脊髄神経系がより重要であると考えられた. |
索引用語 |
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