セッション情報 シンポジウム4.

Rome

タイトル

S4-02 経鼻内視鏡下十二指腸酸投与による知覚過敏性の評価

演者 石井学(川崎医科大学内科学食道・胃腸科)
共同演者 楠裕明(川崎医科大学内視鏡超音波センター), 春間賢(川崎医科大学内科学食道・胃腸科)
抄録 【目的】FDの病態解明を目的として実地臨床の場で簡便にかつ非侵襲的に行える診断手技の確立を目的とした.【方法】まず健常ボランティア14例(男性7例平均年齢32.2歳)を用いて経鼻内視鏡下に十二指腸内酸負荷(0.1N塩酸100ml)を行いdyspepsiaが発現するか否かを検討した.その後上腹部症状を主訴に来院した患者のうちRomeHI基準を満たすFD l4例(男性5例平均年齢51.9歳)と健常ボランティア8例(男性3例平均年齢29.S礒)を対象とし以下の検討を行った.早朝空腹期に経鼻内視鏡を挿入し器質的疾患のないことを確認した後撒布チューブを十二指腸下部に挿入し塩酸20ml(36.5℃0.IN)を1分間で撒布し内視鏡を抜去した.撒布開始時より30分後までに被験者が感じた上腹部症状をsymptom severity scaleとしてVAS scale(最大100㎜)で記録した.症状は胃のもたれ感胃の張り感など12種類の症状について程度の推移を記録した.検討は健常ボランティア群とFD群の比較とし各症状の出現率と酸を投与した後の最大のsymp-tom severity scaleをmax㎞um severity scaleと定義した.【成績】健常ボランティアへの十二指腸内酸負荷により明らかにdyspepsiaが誘発された.一方低用量の酸負荷ではFD群においてdyspepsiaの発現は有意に高く(P<O.05)健常群では症状の発現を全く認めないものも3例あった.Maximu皿severity scaleはFD群において胃のもたれ感胃の張り感胃のず一んとした痛み胃の締め付ける痛み詰まったような感じ早期膨満感で健常群と比較し有意に高値を示した(P<0.05)【結論】FDの病態に十二指腸の酸に対する過敏性が関わっていることを明らかにした.本手技を用いることにより胃酸分泌抑制薬の適応を日常診療で簡便に決めることができる.
索引用語