セッション情報 |
シンポジウム4.
Rome
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タイトル |
S4-04 胃排出能および血清グレリン値からみたEPSPDSNERD群における比較検討-
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演者 |
二神生爾(日本医科大学消化器内科) |
共同演者 |
岩切勝彦(日本医科大学消化器内科), 坂本長逸(日本医科大学消化器内科) |
抄録 |
(目的)現在FDの診断はRome-HIによる愁訴を基盤としたものであるが.一部NERD患者とのoverlapも指摘され病態解明はいまだ困難であるそこでわれわれはFD患者と胸焼け症状を主訴とするNERD患者の胃排出能血清グレリン値背景胃粘膜を両群で比較し一部の症例ではクエン酸モサプリドを投与し症状の比較検討を試みたので報告する.(方法)Rome-HI基準に従い上腹部の愁訴のある患者に対し腹部US・上部消化管内視鏡・便潜血検査等により器質的疾患を除外したFD患者106名(EPS 36名PDS 70名)と胸焼け症状を主訴とするNERD患者39名健常者群20名を対象とした.症状は悪心・上腹部触目感・空腹感・胃部不快感・上腹部痛・胸焼けの6つの腹部症状を強さ・頻度・持続時間によりスコア化(0-30)しうつ傾向の尺度としてSRQ-Dを用いた.胃排出能の評価には13C-acetate呼気試験法を用いた.血清グレリン値は空腹時に測定した.胃生検標本からatrophyac-tivityin且ammationintestinal metaplasiaを0-3でスコア化した.さらに胃排出能の低下を認めた一部のFDおよびNERD患者に対しクエン酸モサプリドを投与し.GSRSを基に比較検討した.(結果)SRQ-Dスコアは健常者群に比しEPSPDS、NERD群で有意に高値であった.またAtrophyactivityin且ammationintesti-nal metaplasiaのいずれにおいても3群問に有意な差は認めなかった四月出田が有意に低下している患者はEPS群で18%PDSでは39%NERD群で33%であった.血清グレリン値は健常者群に比しPDS群NERD群で有意に低値であった.興味深いことにPDS群では胃排出能と血清グレリン値の間に有意な負の相関関係が得られた一方EPSNERD群では血清グレリン値と胃排出能の間には有意な相関は認めなかった.またクエン酸モサプリドを投与した一部の症例では高率にスコアの改善を認めた.(結論)血清グレリン値はPDS群においては胃排出能を介し病態および症状形成に何らかの役割を果たしている可能性が示唆された |
索引用語 |
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