セッション情報 |
シンポジウム4.
Rome
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タイトル |
S4-06 消化管運動改善薬酸分泌抑制薬がFD症状を改善させるメカニズムの検討
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演者 |
飯田章人(愛知医科大学消化器内科) |
共同演者 |
小長谷敏浩(マリンクリニック), 春日井邦夫(愛知医科大学消化器内科) |
抄録 |
Rome IIIでは機能性ディスペプシアは食事に関連した症候群(PDS)食事に関連しない心窩部痛症候群(EPS)に二分された【目的】PDSEPS各々の治療に推奨される消化管運動改善薬酸分泌抑制薬が胃の生理機能(適応性弛緩・知覚閾値)に与える影響を検討した.【方法】(1)10名のボランティアを対象にカプセル剤として準備したクエン酸モサプリド(5mg/毎食後)またはプラセポを二重盲検クロスオーーバー法で2週間内服させ内服前後にドリンクテストおよびGSRSによる健康調査を行った.テストは液体栄養剤(15kcal/mL)を15mL/分で限界量まで飲ませ最大飲用量腹部膨満感の出現する閾値容量を評価した(2)健常者7名にオメプラゾール20皿g/日を1週間内服させ内服前後にバロスタット法による伸展刺激に対する胃の知覚閾値をVASスコアで評価した.【結果】(1)最大飲用量はモサプリドプラセポともに服用後に有意な増加がみられたが両者の変化量に有意差はなかった.膨満感閾値は前(233mL)に対しモサプリドでプラセポに比し投与後に増加傾向がみられた(389mL vs 300mL). GSRSの合計スコアはプラセポでは不変であったがモサプリドでは有意に減少した.(2)オメプラゾール内服後に伸展刺激に対する胃の知覚スコアは中等度までの拡張刺激に対して有意に低下した.【結論】膨満感閾値は胃の適応性弛緩容量と有意に相関するというわれわれの既報また十二指腸内に酸を整流すると伸展刺激に対する知覚過敏が生ずるという報告と考え併せるとモサプリドの適応性弛緩を増加させる可能性およびオメプラゾールの酸分泌抑制による知覚閾値の上昇作用が考えられた.これらよりそれぞれの薬剤はPDSまたはEPSに対して症状を改善することが示唆された.(本研究は藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院心療内科との共同研究である) |
索引用語 |
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