セッション情報 シンポジウム4.

Rome

タイトル

S4-07 大脳誘発電位および飲水負荷試験からみたFunctional dyspepsiaの内臓知覚の検討

演者 庄司知隆(東北大学心療内科)
共同演者 森下城(東北大学心療内科), 本郷道夫(東北大学総合診療部)
抄録 【目的】Rome IIIではt Functional dyspepsia(FD)を食後期愁訴症候群(PDS)と心窩部痛症候群(EPS)に分類している.いずれも内臓知覚異常が主要因と考えられるが2つの病態でどのような知覚異常が存在するのか明らかではない.また大脳誘発電位法ならびに飲水負荷試験は比較的侵襲の少ない検査法でこれらを用いてFDの内臓知覚について検討した.【方法】A)FD群6例健常者6例に経鼻的に刺激電極を挿入し鼻腔より37cmの食道粘膜を電気刺激した、自覚症状の程度に応じて感覚不快痛覚の3閾値を同定しそれぞれの閾値時の大脳誘発電位を導出した.各閾値時の電流と大脳誘発電位の出現潜時を測定しさらに自己記入式症状スコア(GSRS)との関連を評価した.B)FD群12例(PDS7例EPS5例)健常者15例に飲水負荷試験を施行した.飲水量を被験者に知らせずチューブストローで室温のミネラルウォーターを5分間で可能なだけ飲水させた.飲水前後に上腹部症状程度について0点から4点で自己記入させた.PDSとEPSそれぞれの飲水量誘発自覚症状スコアならびに心理面(SDSSTAIMMPI)を評価した【結果】A)FD群では食道粘膜電気刺激で痛覚閾値電流が低下傾向を示し(p=0.076)大脳誘発電位N2とP2で有意な潜時の短縮がみられた(p〈O.05).N2P2潜時とGSRS腹痛尺度の問に有意な負の相関がみられた(r=-0.72 p=0.008).B)飲水量は健常者平均824.7!nl(Min370mlMax.1460ml>PDS Mgm 1(4351170ml)EPS 958ml(3801440ml)で同等であった.しかしPDSでは飲水による腹部症状で高値を示しEPSでは心理検査でうつ不安心気が高い傾向を示した.【結論】FDでは内臓知覚情報伝達プロセスの変化が示唆されtさらにPDSでは消化管刺激による感覚過敏がEPSでは心理的偏衙が重要な役割を行っていることが示唆された
索引用語