セッション情報 |
シンポジウム5.
炎症性腸疾患:分子標的療法の新展開
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タイトル |
S5-03 新規DNAワクチンを用いたマクロファージ遊走阻止因子を標的にした炎症性腸疾患治療の基礎的検討
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演者 |
大川原辰也(北海道大学消化器内科・北海道情報大学医療情報学科) |
共同演者 |
武田宏司(北海道大学消化器内科), 浅香正博(北海道大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】我々はMacrophage migration inhibitory factor(MIF)が炎症性腸疾患の病態進展に関与しtMIFの活性阻害による腸炎に対する治療応用の可能性を報告してきた.今風我々が開発した新規MIF-DNAワクチンを用いMIF活性阻害による炎症性腸疾患の可能性について基礎的検討を行った.【方法】抗MIF自己抗体を産生させるために㎞munodominant T-helper epi-tope(Thエピトープ:免疫ヘルパーT細胞のみに結合して抗体産生を強く促すことのできる小さなタンパク断片)をMIF分子と結合させ改変MIF(MIF/Thエピトープ融合タンパク)を抗原として産生するDNAワクチンを作製しBalb/cマウスにMIF-DNAワクチンをエレクトロポレーション法にて接種した.MIF自己抗体の評価は自作したELISAキットにて解析した.ワクチン接種後デキストラン硫酸大腸炎を誘導し(3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)7日間投与)肉眼的および組織学的所見を非治療群と比較し評価した.また腸管組織中の好中球ペルオキシダーゼ活性を測定した.【成績1MIF-DNAワクチン治療マウスは抗MIF自己抗体の増加を促した.またDSS腸炎においてMIF-DNAワクチン治療マウスは未治療マウスと比較してDSS腸炎による体重減少も少ない上下痢・血便が減少し組織学的所見では炎症性細胞浸潤や上皮細胞の破壌などが抑制されていたMIF-DNAワクチンはDSS腸炎にみられる好中球ペルオキシダーゼ活性も抑制された.【結論】本治療法において新規ワクチン治療を用いたMIF活性阻害による大腸炎治療の可能性が示唆された.従来の炎症性腸疾患治療の一つである抗体投与による治療の問題点である1)繰り返し投与が必要2)抗抗体の出現3)コストについてこのDNAワクチンが克服できる可能性がある |
索引用語 |
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