セッション情報 |
シンポジウム5.
炎症性腸疾患:分子標的療法の新展開
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タイトル |
S5-07 罹病期間によるレミケード治療の有効性の検討
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演者 |
赤坂理三郎(岩手医科大学内科学第一講座) |
共同演者 |
千葉俊美(岩手医科大学内科学第一講座), 折居正之(岩手医科大学内科学第一講座) |
抄録 |
クローン病に対するレミケード(IFX)治療は大きな変化をもたらし早期にIFX治療を始めるTop-Down療法が注目されている.【目的】クローン病の罹病期間におけるIFXの改善率および継続投与について検討した.【対象】クローン病患者22例(男性13例女性9例)を対象とした.病型は小腸型6例小腸大腸型12例大腸型4例平均年齢30歳(15-54歳)平均罹病期間は66ヶ月(0-214ヵ月)であった.【方法】CDAI値をIFX開始時IFX投与2週後4週後8週後で測定した.さらに発症2年以内にIFN開始した群(早期群)と発症2年以上で開始した群(進行群)の2群に分けて検討した.CDAI l50未満を緩解導入とした.【結果】早期群は9例(男性6例女性3例.小腸型3例小腸大腸型4例大腸型2例平均年齢28歳平均罹病期間13ヵ月)進行群は13例(男性7例女性6例.小腸型3例小腸大腸型8例大腸型2例平均年齢31歳平均罹病期間103ヵ月)であった.早期群のCDAIの改善率は248週後で46%57%57%であったのに対し進行群では40%46%17%と4週後までCDAIが改善するが8週後のCDAIは上昇していた.緩解導入率は早期群が248週後で56%75%63%に対して進行群では33%31%31%であった.また早期群2例に継続投与を行いそのうち1例は緩解維持により2年間で10kgの体重増加を認めた.また進行群7例で継続的なIFX治療を行いそのうち緩解維持が困難な2例に対して継続投与中に3回投与(026週)を行い活動性を再び抑える事に成功した.【結論】進行群では初回投与後26週後の3回投与を行った後に8週間隔の計画的投与の必要性が示唆される.また計画的IFXでもCDAIが高値を示す症例に対して途中で3回投与を挟む事で再び疾患活動性を抑える可能性が示唆された.早期からの積極的な治療を行うことにより短期的な改善だけではなく長期的な寛解維持に好影響を与える. |
索引用語 |
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