セッション情報 |
シンポジウム5.
炎症性腸疾患:分子標的療法の新展開
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タイトル |
S5-10 クローン病における腸病変および肛門病変に対する外科治療後のレミケードの使用成績
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演者 |
佛坂正幸(宮崎大学腫瘍機能制御外科学) |
共同演者 |
池田拓人(宮崎大学腫瘍機能制御外科学), 千々岩一男(宮崎大学腫瘍機能制御外科学) |
抄録 |
【はじめに】今回外科的治療後にレミケードを投与した症例について検討した.【対象】腸病変:手術を施行した55例のうち24例において術後にレミケードを使用した.症例の内訳は男性17例女性7例で手術時の平均年齢は32、O±9.6歳(平均±標準偏差)であった. Vienna Classhicationによる病型はB1:4例B2:14例B3:6例であった.手術は回腸部分切除(+狭窄形成):3例吻合部切除(+狭窄形成):2例狭窄形成:1例回盲部切除(+狭窄形成):9例結腸部分切除:2例結腸右半切除:3例結腸平野切除:2例結腸全摘・腹会陰式直腸切断術:2例を行った.レミケードの投与は20例では定期的投与を3例では初期投与のみ1例は悪化時のみ投与を行った.肛門病変(腸病変症例との重複あり):23例にみられ14例に術後レミケードを投与した.男性10例女性4例で年齢は30.3±11.8歳であったドレナージ法はseton法:13例penrose drain挿入=1例でレミケード投与は定期的な継続投与を10例に初期3回投与のみを4例に行い11.3±9.0回投与した.【結果】腸病変:初回投与からの経過期間は17.6±2.6カ月であった.腸管皮膚痩を形成していた症例では痩孔は閉鎖したB1症例のうち出血のため手術を行った2例は投与後は再出血はみられていない.1例で投与から11ヵ月後に吻合部の狭窄のため再手術を行った.肛門病変:初回投与から20.1±12.6ヶ月経過した現在の状態は治癒:5例沈静化:5例軽快:2例悪化→一興:2例である.2例でイレウスとなり投与を中止した.2例で肛門狭窄をきたし定期的な拡張が必要であった.【まとめ】皮膚痩を形成した症例や出血を伴う症例では有効であった.肛門病変に対しては十分なドレナージを行うことが必要でありレミケードを投与することはこの効果を増強すると思われた.今後長期的な成績の検討が必要であると思われた. |
索引用語 |
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