セッション情報 |
シンポジウム5.
炎症性腸疾患:分子標的療法の新展開
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タイトル |
S5-12 難治性潰瘍性大腸炎に対する抗TNF-α抗体(Infliximab)の緩解導入と維持投与による長期成績
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演者 |
那須野正尚(札幌厚生病院第一消化器(胃腸)科) |
共同演者 |
本谷聡(札幌厚生病院第一消化器(胃腸)科), 今村哲理(札幌厚生病院第一消化器(胃腸)科) |
抄録 |
【目的】米国では潰瘍性大腸炎に対しても抗TNF一α抗体(In且iximab)での治療が承認されているが本邦においてはその適応を考慮することも時期早出とされる一方多施設臨床試験が進行中である.私たちは米国での大規模臨床試験(ACT1およびACT2)の成績が公表された以後にCyA持続静注療法の再燃例などを中心に難治性潰瘍性大腸炎13例にIn且iximabを投与し緩解導入成績と計画的維持投与による長期成績を検討したので報告する.【方法】手術療法が原則である旨を含めた十分なinformの後にInfliXimab治療を強く希望された場合に限りクローン病治療に準じO26日置で緩解導入を試みた.以後8週間毎の計画的維持投与を原則に長期間の緩解維持を目指すこととした.臨床経過はCAIで評価し4以下に至ったものを緩解とした.(なお現在進行中の臨床試験に関与する7症例は今回の検討には一切加えていない.)【成績】Infliximab投与10Wでの緩解率は46.2%(6/13例)治療効果の認められた有効例は6L6%に及んだ.しかし8W毎の計画的維持投与を継続した30Wでの緩解率は308%54Wでは15.4%にすぎなかった.そこで再燃後の症例に対する計画的維持投与を中止し再同時にのみ投与を行う対症的再投与に切り替えた結果維持期間の延長が得られ48Wでの緩解率38%有効率46%にまで向上した.【結論】InfliXimabは難治性潰瘍性大腸炎においても緩解導入が認められる.しかしクローン病と同様な計画的維持投与による長期間の緩解維持は困難な場合が多い.かかる症例ではむしろ対症的再投与(episodic maintenance)が望ましいと考える. |
索引用語 |
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