セッション情報 |
シンポジウム6.
クローン病の長期予後:本邦のエビデンスを求めて
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タイトル |
S6-01 Crohn病予後良好例の検討-15年以上の長期経過例に対する追跡調査の解析-
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演者 |
平井郁仁(福岡大学筑紫病院消化器科) |
共同演者 |
高津典孝(福岡大学筑紫病院消化器科), 松井敏幸(福岡大学筑紫病院消化器科) |
抄録 |
【目的】Cro㎞病(以下CD)の経過は多様でありその複雑な臨床経過予後を解析することは容易ではない.長期経過を臨床的事項により検討した報告は少なく今回生命予後や手術率ではなく実際の臨床に即した方法でCDの長期経過を明らかにすることを目的とした.【対象と方法】当科で診療したCD患者で発症より15年以上経過した220例を検討した.まず現状が把握できる症例(検討可能例)の頻度すなわち追跡率を算出した本検討では当科で経過観察中の症例はfollow up 9e(以下f群)としてカルテ内容で経過観察中でない症例はnon-fol・low up群(以下㎡群)とし現施設への問い合わせや本人への郵送または電話にて経過を検討したそして検討可能例を経過良好群(以下良好群)と経過不良群(以下不良群)とに群了した.経過良好群は1就労就学家事手伝いが可能である2日常生活が独力で可能である3腸管手術の既往が2回までに留まる4最終観察日より5年以内に緩解導入目的の入院がない5在宅中心静脈栄養療法は未施行6最終観察年の10BDが2点以下の6項目を全て満たす例と定義した.また経過に関与する因子を知る目的でt両群間の患者背景診断時検査活動指数緩解維持療法等について比較検討した【成績】対象220例中経過検討可能例は187例(発症年齢20.9土&0歳t経過観察期間2LO±5.0年)であり追跡率は85.0%であった.調査方法の内訳はf群137例(73.3%)nf群50例(26.7%)であった今回の定義では187例中良好群は53例(28.3%)不良群は134例(717%)であった語群の比較では発症年齢が不良群で有意に低く病型は不良群に小腸大腸型が多かった.診断時の各種項目の比較ではA且bHbが不良群で有意に低く活動指数10BDは有意に高かった【結論】本検討で発症から15年以上の長期例のうち予後良好例の頻度と内容が明らかとなり予後に関与する因子として発症年齢病型診断時の活動性などがあげられた. |
索引用語 |
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