セッション情報 シンポジウム6.

クローン病の長期予後:本邦のエビデンスを求めて

タイトル

S6-02 Crohn病の長期経過における腸管合併症への進展予測と栄養療法の意義

演者 竹内瞳(北里大学東病院消化器内科)
共同演者 小林清典(北里大学東病院消化器内科), 勝又伴栄(北里大学東病院消化器内科)
抄録 【目的】Crohn病の長期経過例で初回検査で評価した腸管病変から腸管合併症への進展が予測可能であるか明らかにする.【方法】対象はCro㎞病321例のなかで初診時非手術で5年以上経過観察し6ヶ月以上の間隔で腸管病変の評価を複数回行った142例である腸管病変の経時的推移は初回検査から最終観察時までに行った消化管造影を主とした画像所見の見直しにより評価したが経過中に外科的腸切除を行った場合は手術までの画像所見で評価した.さらに腸管合併症への進展の有無で初回検査時の腸管病変の内容や在宅経腸栄養療法(HEN)継続例の頻度なども比較した.【結果】1)初回検査で腸管合併症を認めなかった106例のうち腸管合併症への進展を34例(32%)で認めた内訳は狭窄21例狭窄+痩孔13例で寂寂は全て狭窄部に発生していた.狭窄や牛飼へ進展した元病変は敷石像が27例で最も多くうち24例は腸管全周に及んでいた.腸管合併症への進展例は初回検査で敷石像を71%裂溝潰瘍を29%に認め非進展例の各31%ll%より有意に高頻度であった.なおHEN継続例の頻度は差はなかった2)初回検査で狭窄を認めた46例のうち10例(22%)が腸管合併症へ進展しt内訳は痩孔8例新たな狭窄2例であった.痩孔進展例は初回検査での狭窄の最大長が5.4±2.7cmで非進展例の2.9±3。Ocmより有意に長かった.また進展例はHEN継続例が1例(13%)のみで非進展例の20例(53%)より有意に少数であった.3)初回検査から痩孔を認めた11例は新たな合併症への進展はないが8例(73%)で外科手術が必要であった.【結論】初回検査で高度の敷石像を有する症例は長期経過で狭窄や陰白長い狭窄を有する症例は痩孔へ進展する危険性が高い.在宅経腸栄養療法は狭窄から痩孔への進展阻止に有用性が期待できるが高度の敷石像を有する場合はInfliximabや免疫調整剤などの併用を考慮すべきである
索引用語