セッション情報 |
シンポジウム6.
クローン病の長期予後:本邦のエビデンスを求めて
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タイトル |
S6-03 緩解期クローン病対する長期経腸栄養療法の臨床的および内視鏡効果:前向き比較試験
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演者 |
山本隆行(四日市社会保険病院IBDセンター) |
共同演者 |
梅枝覚(四日市社会保険病院IBDセンター), 松本好市(四日市社会保険病院IBDセンター) |
抄録 |
【目的1緩解期クローン病に対する長期の経腸栄養の臨床的および内視鏡的効果については十分なエビデンスが得られていないそれらを検証するため二つの前向き比較試験を行った.【方法】Study A:内科的治療により緩解導入しえた患者40人を対象Study B:切除術後の患者40人を対象.両Studyとも試験開始前に経腸栄養療法に対するコンプライアンスを評価しコンプライアンスが良好な患者20人を経腸栄養療法群(EN群)不良な患者20人を非経腸栄養療法群(Non-EN群)に罰り付けた. EN群では夜間に成分栄養剤1200-1800mLを経鼻チューブより注入し日中は低脂肪食(20-30g/day)を摂取した. Non-EN群では経腸栄養剤を使用せず食事制限も行わなかった両軍とも全例にメサラジン(3ガday)の投与を行い再燃/再発が確認されるまでステロイドや免疫抑制剤は使用しなかった.上記のプロトコールで1年間経過観察した.CrohnP s Disease Activ・ity lndexを毎月評価し150以上を臨床的再燃/再発と定義した.また6ヶ月12ヶ月後に回結腸内視鏡検査を行い(Study Aのみ試験開始時も)内視鏡的炎症を評価した.【結果】両Studyにおいて臨床背景は両群婚(EN vsNon-EN)で有意差を認めなかった.Study A:Intention-to-treat basisで1年間の臨床的再燃率はEN群では25%Non-EN群では65%でEN群で有意に低率であった(P=0.03).内視鏡的炎症スコアは試験開始時および6ヶ月後には2群に有意差を認めなかったが12ヶ月後ではEN群で有意に低値を示した(1.25鴨2.00P=O.04)Study B:1年間の臨床的再発率はEN群では5%s Non-EN群では35%でEN群で有意に低率であった(P=O.0048).内視鏡的再発率は術後6ヶ月時では両群に有意差を認めなかったが12ヶ月時にはEN群で有意に低率であった(30%vs.70%P=O.027)【結論】一年間の経腸栄養療法は内科的緩解導入症例および術後症例に対して臨床的および内視鏡的緩解維持効果を示した. |
索引用語 |
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