セッション情報 シンポジウム6.

クローン病の長期予後:本邦のエビデンスを求めて

タイトル

S6-06 IFX維持療法は必須か?-AZA/6-MPのIFX離脱効果-

演者 山田雅弘(豊橋市民病院消化器内科)
共同演者 浦野文博(豊橋市民病院消化器内科), 岡村正造(豊橋市民病院消化器内科)
抄録 【目的】infliximab(IFX)は緩解導入に有力な治療法として定着しつつあるが長期緩解維持には問題が多い.また近年免疫調節剤の緩解導入維持効果が報告されているが適切な使用法は明らかでない.当院では緩解導入時および維持療法にAZA/6-MPを積極的に使用し白血球数を指標に用量を調節するオーダーメイド療法を行いIFXからの離脱効果を高めているので報告する.【方法】2002年6月から2007年10月までに当院にてIFXを使用し緩解導入療法を行ったクローン病患者73例のうち1年以上の経過観察が可能であった58例(平均年齢29.4歳)を対象とした.緩解導入にIFXを単独で投与した群(IFX群30例)とIFXに免疫調節剤を併用した群(IFX+AZA/6-MP群28例)での緩解導入効果および52週後での緩解維持療効果を検討した.さらに緩解導入困難例再燃例には原則][FX維持療法にAZA/6-MPを併用し再緩解導入を試みた.2004年10月からはAZA/6-MPの投与量を診察時の至急採血で白血球数が3000~5㎜/mm3に維持できるように25~200mg/10~120mg.の間で調節するオーダーメイド療法を行い臨床成績を検討した.【結果】緩解導入に至った症例はIFX群で60%(18/30例)IFX+AZA/6-MP群で16例57%(16/28例)と緩解導入において差を認めなかった.緩解維持においては52週後でIFX+AZA/6-MP群で緩解維持率が高かった(Kaplan-Meier法p<0.01).対象患者58例中緩解導入困難あるいは再燃によりIFX維持療法+AZA/6-MPオーダーメイド療法を行った症例は36例でうち23例が再緩解維持され21例でIFXからの離脱が可能であった観察終了時における緩解維持症例は74%(43/58例)と緩解維持率が上乗せされた【結語】AZA/6-MPの有効率上昇にはオーダーメイド療法が必須でIFX維持療法症例に対してIFXからの離脱効果を認めた.
索引用語