セッション情報 |
シンポジウム6.
クローン病の長期予後:本邦のエビデンスを求めて
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タイトル |
S6-12 クローン病に合併した直腸肛門管癌の臨床経過と問題点
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演者 |
小金井一隆(横浜市立市民病院外科) |
共同演者 |
木村英明(横浜市立大学附属市民総合医療センター炎症性腸疾患センター), 杉田昭(横浜市立市民病院外科) |
抄録 |
クローン病長期経過例には癌が合併し予後不良とされる.本邦でも長期経過例増加に伴い癌合併例の増加が予想される.【目的】クローン病の癌で最も多い直腸肛門管癌症例の臨床経過と問題点を明らかにする.【対象】直腸肛門管癌を合併したクローン病の13例.1結果】1背景:男性8例.女性5例全例小腸大腸型でクローン病発症年齢は平均18.4歳(16~29)癌診断時年齢は平均34歳(27~40)クローン病発症から癌診断まで平均17.7年(10~26)であった.直腸癌が6例痔痩癌を含む肛門管癌が7例であった.痔脳中では痔痩発症から癌診断まで平均15.7年(8~25)で86%(6/7例)では直腸肛門部が空置されていた2診断:直腸癌は直腸狭窄や出血t粘液排出のため行った内視鏡4例粘液性分泌物の細胞診1例直腸狭窄のため行った直腸切断術の切除標本病理組織所見1例で肛門管癌は痔痩手術時の組織診か細胞診5例直腸肛門診で触知した腫瘤の組織診1例直腸切断術を行った切除標本の病理組織所見1例で診断したが全例進行癌であった.3治療:直腸切断術を10例に骨盤内臓全摘術を1例に行った.1例は骨盤内浸潤と腹腔内リンパ節転移腹膜播種のため直腸切除を行い多発性肺転移と骨盤内浸潤で非切除の1例はmodified FOLFOX-6を行った.4予後:治癒切除した直腸癌4例と肛門管癌1例は平均65.4ヶ月(1~165)無声発生胴中である.残り8例中3例は再発生存中でうち1例は再発巣切除と骨盤内臓全摘術を行い7年2ヶ月生存中2例は化学療法中である.5例は術後6~18ヶ月で死亡した.【結語】クローン病合併直腸肛門管癌は早期診断が困難で予後不良であった、早期診断には直腸や肛門部に病変を合併した長期経過例で癌を念頭に置き症状に注意し定期的な直腸肛門指診や内視鏡と積極的な細胞診生検組織診が必要である. |
索引用語 |
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