セッション情報 |
シンポジウム7.
大腸腺腫の治療ガイドラインを目指して
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タイトル |
S7-01 大腸腺腫の臨床的取り扱い
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演者 |
小林広幸(松山赤十字病院胃腸センター) |
共同演者 |
堺勇二(松山赤十字病院胃腸センター), 蔵原晃一(松山赤十字病院胃腸センター) |
抄録 |
【目的】前癌病変のひとつである大腸腺腫の臨床的特徴を後向きに解析しその取扱い(治療適応治療方法経過観察)について検討した.【方法】(検討1)当科にて内視鏡または外科的切除された腺腫を含めた大腸上皮性病変8647病変(腺腫5770病変M癌601病変SM癌318病変進行癌1723病変その他235病変)の組織所見と大きさからみた腺腫の治療適応を検討した(検討2)内視鏡治療(polypectomyまたはEMR)後の経過観察が可能であった1910病変(腺腫1668病変M癌242病変)の遺残再発からみた治療方法経過観察について検討した.【成績】(検討1)大きさ5mm以下の病変は1634病変腺腫1515病変(927%)M癌21病変(1.3%)SM癌1病変(O.06%)その他97病変(5.9%)で腺腫が圧倒的に多く大部分(95.6%)は軽度・中等度異型腺腫であった前癌率は隆起型(O.82%)と表面隆起型(3.4%)に比べ表面陥凹型(7.3%)が高率であった.6~10mmの3069病変では早期癌(M癌171病変SM癌60病変:7.5%)がこの大きさでの5%以上を占め進行癌(8病変)も認められた.(検討2>遺残再発は17病変(0go/o)みられ腺腫8病変(05%)M癌9病変(37%)であった.肉眼型はLST-GIO病変Ha4病変Is(p)3病変で30mm以上(9/34病変:27%)3分割以上(7/41病変:17%)の病変で有意に高率であった(p<0.0001).再発確認までの期間は平均14ヶ月で1年以内に11病変(65%)3年以内に全例再発し初回腺腫の2病変では再発時癌病巣を伴っていた.1結論】5mm以下の病変の担面向は低く大部分は異型度の比較的弱い腺腫であり隆起型・表面隆起型は経過観察でも十分と考えられるが陥凹型は担癌率が高いため内視鏡治療すべきである.遺残再発からみると内視鏡的切除の適応は大きさ30mmまでの病変でこれより大きな病変ではESDまたは外科的切除を考慮すべきである.また3分割以上となった場合には注意深い経過観察が必要である.初回経過観察は6ヶ月から1年以内に行い少なくとも3年間は毎年検査が必要と考える. |
索引用語 |
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