セッション情報 シンポジウム7.

大腸腺腫の治療ガイドラインを目指して

タイトル

S7-04 径5mm以下の大腸腺腫の臨床的取り扱い-拡大観察によるpit pattern診断も含めて

演者 山口敏紀(広島大学病院光学医療診療部)
共同演者 田中信治(広島大学病院光学医療診療部), 茶山一彰(広島大学分子病態制御内科学)
抄録 【目的】(1)径5mm以下の大腸腺腫の臨床的取扱い(2)大腸腺腫内視鏡切除後の異時性多発病変について検討する.【方法】(1)対象は2002年8月~2007年8月に当診療部で内視鏡的治療を施行した径5mm以下の腺腫および早期癌のうち拡大観察が行われた704病変(腺腫698病変M癌5病変SM癌1病変).腺腫は10w grade(TA-L)high grade(TA一一H)に分類し肉眼型(隆起型陥凹型)pit pattern別のTA-H率担癌率を検討した.(2)対象は1991年1月~1998年12月に当診療部で全大腸内視鏡検査(TCS)を施行しse皿i-clean colon化(早期癌及び径5mm以上の腺腫全てを切除)後1年毎のTCSで3年以上経過観察された315例のうち初回病変が腺腫であった197例271病変.初回病変を単発腺腫と多発腺腫に分け経過観察中に発見された癌および径5mm以上の腺腫の累積発生率を検討した.【結果】(1)全症例のTA-H率7%(49/704)担癌率0.9%(6/704)であった.肉眼品別では隆起型のTA-H $ 7%(48/697)担癌率09%(6/697)陥凹型のTA-H率14%(1/7)担癌率0%(0/7)と両者で有意差を認めなかった.Pit pattern別ではVI型のTA-H率28%(2/7)担癌率57%(4/7)non V型のTA-H率7%(47/697)担匠気0.3%(2/697)とV!型で有意に高かった(2)2次病変発見までの平均期間は16.8±5.6ヵ月で浸潤癌は1例も認めなかった.腺腫の累積発生率は初回病変が単発腺腫56%(82/146)多発腺腫45%(23/51)で両者に有意差を認めなかった.癌の累積発生率は初回病変が単発腺腫3%(5/146)多発腺腫10%(6/51)で多発腺腫が有意に高かった.【結論】(1)径5mm以下の大腸腺腫においてV型pitpattern以外の病変は原則経過観察でよい.(2)semi-clean colon後は初回病変の個数を考慮したサーベイランスが重要である、
索引用語