セッション情報 シンポジウム7.

大腸腺腫の治療ガイドラインを目指して

タイトル

S7-07 大腸腺腫に対する内視鏡的切除後のサーベイランスに関する検討

演者 田近正洋(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
共同演者 河合宏紀(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部), 中村常哉(愛知県がんセンター中央病院内視鏡部)
抄録 【目的】大腸腺腫に対する内視鏡的切除術(EMR)は大腸癌の効果的な予防法として盛んに行われているが術後サーベイランスは未だ確立されていない.EMR後の適切なサーベイランスについて検討した.【方法】対象は1994年4月から2007年3月に当施設で大腸腫蕩に対しEMRを行った2395例(4405件〉中1年以上の間隔を空け複数回EMRを行った232例(927件).対照は単回EMRの2163例(3478件)で2群間で腫瘍の特徴を比較しさらに複数回EMR群において2回目以降にEMRした腫瘍の発生率をKaplan-Meier法を用いて検討した.当施設は長径6mm以上をEMRの適応としサーベイランスは原則として1年後以後1~3年間隔で行っている.【結果】複数回EMR群232例のEMR回数は平均2.2回間隔は中央値で39.5ヶ月(範囲12~150ヶ月)であった.うち初回EMR(434件)時の腫瘍の切除数1.9±1.4個(mean±SD)長径9.8±6.3mm占居部位(R:S:D:T:A:C)=(93:150:41:62:68 : 20)肉眼型(ls:Isp:Ip:Ua:Ha+Hc)=(83:220:91:38=2)癌44件に対し単回EMR群は切除数1.6±1.1個長径9.0±5.4mm占居部位(725:1292:400:498:438:125)肉眼型(1656:486:768:368:14)癌410件で複数回EMR群は翻印EMR群と比し有意に腫瘍の切除数が多く(PくO.Ol)長径が大きく(Pく0.01)右側大腸(T:A:C)に多い傾向にあった(P=0.08)t複数回EMR群の累積腫瘍発生率は1年目2.2%3年目50%5年目73.7%で初回EMR時65歳以上腫瘍個数3個以上が有意に発生率が高かった(P<0.05).経過中の癌の発生は中央値48.2ヶ月(12~141ヶ月)で23例30件に認め初回EMR時の癌症例には8/24例(24%)に有意に多く(P〈O.05)認めた.【結論】EMR後のサーベイランスは癌を含めた腫瘍の見落としを防ぐ意味で1年後その後は3年目が適切と考えられた
索引用語