セッション情報 シンポジウム7.

大腸腺腫の治療ガイドラインを目指して

タイトル

S7-08 大腸腺腫の内視鏡切除後の適正なサーベイランス法

演者 豊永敬之(松島病院大腸肛門病センター)
共同演者 鈴木康元(松島病院大腸肛門病センター), 西野晴夫(松島病院大腸肛門病センター)
抄録 【目的】大腸腺腫の内視鏡的治療後の至適サーベイランス方法を検討する.【方法】1998-2001年の初回TCSで大腸腺腫または粘膜内癌(M癌)が発見され当院にて内視鏡的切除を行いその後2回以上のTCSを行った1731症例(男性1193例女性538例平均年齢59.3歳)を対象とした.FAPHNPCC炎症性腸疾患大腸癌や大腸ポリープ切除の既往例は除外した.フォローアップTCS回数は2~11回(平均3.8回)で観察期間は12~114ヶ月(平均65ヶ月)であったポリープ切除後のTCSで5mm以上の腫瘍性病変が指摘されなかった段階をSemi-clean colonとした経過観察中に新たに発見された癌および10mm以上の腺腫をIndex lesion(L)とした. Kaplan-Meier法を用いサーベイランス中の累積IL発見率を求め3%以内の発生率を許容範囲と仮定し適正な検査間隔を検討した.また比例ハザードモデルを用い患者背景(年齢性別)や初回病変の特徴(腫瘍数病変部位腫瘍径肉眼形態M癌の有無)よりIL発生の危険因子を求めた.【結果】Semi-clean colon化は1715例(99.1%)でTCS1~6回(平均12回)3~97ヶ月(平均15ヶ月)の経過をかけて達成可能であった.Semi-clean colon達成前のIしの発生率は72例(42%)t 88病変で累積発生率が3%を越えるのは初回治療後13ヶ月であった.多変量解析にて多発病変(odds ratio=2.0P=0.02)およびM癌(odds ratio=2.2P=O.006)が独立した危険因子あった.次にSemi-clean colon達成後のIしの発生率は80例(4.9%)85病変で累積発生率が3%を越えるのはSemi-clean・colon達成後36ヶ月であった多変量解析にて多発病変(odds ratio=2.9P=O.002)および60歳以上(oddsratio・=・1.6P=O.03)が独立した危険因子あった.【結語】大腸腺腫切除後のサーベイランスTCSはSemi-clean colon達成までは1年に1回Semi-clean colon達成後は3年に1回行うのが効率的である.また高齢M癌多発病変はH.発生の高危険群でありより慎重なフォローアップが求められる.
索引用語