セッション情報 シンポジウム8.

NAFLDの病態・予後・治療

タイトル

S8-01 脂肪肝は内臓脂肪の指標になりえるか

演者 今村也寸志(鹿児島厚生連病院)
共同演者 桶谷真(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 宇都浩文(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【目的】メタボリック症候群は内臓脂肪を基盤とする病態である眠その内臓脂肪の評価は簡便ではない.一方脂肪肝はメタボリック症候群の表現型のひとつと言われている.今回の研究でははたして脂肪肝から内臓脂肪の有無が予知できるか検討した.【方法1健診受診者のうちCTで内臓脂肪量の測定を行った1198名について検討した.CTで測定された内臓脂肪面積(VFA)と皮下脂肪面積(SFA)の相関関係では男性ではSFA = a5.3+0.475×VFA女性はSFA=137.5+O.691 × VFAの回帰直:線が得られVFAの100cm2に相当するSFAは男性が126cm2女性が207cm2であったそこで対象者を1群:VFA lOOcm2未満SFA 126cm2(M)207(F)cm2未満II群(皮下脂肪型)二VFA 100cm2未満SFA126cm2(M)207cm2(F>以上III群(内臓脂肪型):VFA IOOcm2以上SFA126cm2(M)207cm2(F>未満VI群= VFA IOOcm2以上SFA 126cm2(M)207cm2(F)以上の4群に分けて比較検討した.【結果】1UIIIVI群の脂肪肝の発生率は男性では12.240.536.066.8%女性では14.036.054.273.8%でありII群とIII群は1とIV群の中間的な値を呈した.アルコール非飲酒者(1合/日以下)における脂肪肝(NAFLD)でも同様の結果であった.一方高血圧については男性では27.721.646.052.0%女性では24929.054247.5%で1群と∬群が同程度Ill群とIV群がまた同程度であり糖代謝異常も同様の傾向であった.【考察】脂肪肝NAFLDの発生には内臓脂肪に加え皮下脂肪も関与しうることが示唆された.一方高血圧などでは皮下脂肪の関与は少なく内臓脂肪が発症の重要な因子であることが示された.脂肪肝はメタボリック症候群(内臓脂肪)の表現型と言えるか再検討が必要と思われた.また脂肪肝の有無は内臓脂肪の有無を必ずしも指摘しえないと考えられた.
索引用語