セッション情報 シンポジウム8.

NAFLDの病態・予後・治療

タイトル

S8-02追加 NASHの早期診断および長期予後について

演者 川村祐介(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 池田健次(虎の門病院肝臓センター), 熊田博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的】1)Nen-alcoholic steatohepatititS(NASH)とSirnple steatosis(SS)との臨床生化学データによる判別方法の検索2)反復して肝生検が施行でき長期観察が可能であったNASH I2例・SS 2例につき進行の経過観察におけるマーカーの検討を行った.【方法】1980年から2007年9月までに当院にて肝生検で診断したNAFLD73症例を対象としNASH47SS26例に分類し検討した【成績】1)NASH・SS症例の内訳:NASH症例は男性28例女性19例年齢の中央値は46歳Body Mass lndex(BMD24.8Alb4.lg/d1AST69、51U/1ALT1091U/1TGTP771U/1Pk222 x lO4/叫Hyaluronic acid(HA)35.6pg/1ICG-R1512%糖尿病(DM)14例高脂血症(肌)29例.SS症例は男性11例女性15例背景は年齢の中央値43歳BMI24.8Alb4.4g/d1AST391U/L ALT561U/1rGTP821U/1Plt25 x lO4/叫HAIZIpg/1ICG-R15 14%・、 DM3例HL19例であった.2)NASH・SSの鑑別=判別分析:単変量分析にて有意差が認められた項目を用いて判別分析を施行最終的な判別関数は1.141xDM(有:1/無:0)+0.025×AST IU/L+ 1.84xγ一globr㎞g/dl-O.005 × 7-GTP IU/1-0.041 x HDL mg/dl+0.1 x ICG%一3Jll(定 数)となり結果が+でNASH,一でSSとして判別できた.同式のNASHに対するposi-tive predictive valueは81%SSに対するnegative predictive valueは84%であった.3)肝生検反復症例における血液マーカーの検討反復して肝生検を施行した14例中8例(生検の間隔;3-15年目で線維化の悪化を認めうち3例でBMI悪化を4例ではBMI改善を認めたが内2例では経過中にDMを発症したまたSSからNASHへの進展は2例に認めた.肝生検前後で線維化悪化例ではAlb値が有意に低下しHA・HOMA-IR・TGの有意な上昇が認められた.【考案】判別式はNASH症例の診断に有用であると考えられた. NASH診断後のfollowupに関しては“判溺に使った因子”とは異なる因子が指標となっていた.
索引用語