セッション情報 |
シンポジウム8.
NAFLDの病態・予後・治療
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タイトル |
S8-07 NAFLDNASH発症におけるPPAR gammma共益因子であるPPARGC1Aの遺伝子多型解析
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演者 |
米田正人(横浜市立大学消化器内科) |
共同演者 |
堀田紀久子(理化学研究所遺伝子多型解析センター), 中島淳(横浜市立大学消化器内科) |
抄録 |
【目的】nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD)はメタボリックシンドロームの肝での表現形と考えられており近年遺伝子多型により発症頻度の違いがあることが報告されている.我々は糖尿病の発症頻度に関与すると報告されているperoXisome proliferators-activated re-ceptor(PPAR)gamma coactivator 1alpha(PPARGCIA)の遺伝子多型(SNP)とNAFLDの発症頻度について検討した.【方法】当院で肝生検を施行したNAFLD患者115人(NASH65人単純性脂肪肝50人)正常人441人を対象とした.PPARGCIAの15種類のSNPについて検討を行った.【結果】PPARGCIAの多型の1つであるrs2290602はGGGTTTの多型を認めるが健常人とNAFLD患者で有意な差を認めた(p;O.OOO95)Bofferroniの多重検定による補正を行ってもその頻度さは有意であった(p=0.043).T因子を持つことによるNAFLD発症のオッズ比は2.73であり2.73倍罹患しやすいことが示唆された.TTの遺伝子を持つ群は他の群(GGGT)と比較し有意にトランスアミナーゼの上昇を認めた(p=0.0177).またNASH患者に限定した場合にも同様な結果を認めた.【結論】PPARGCIAは骨格筋や褐色脂肪においてPPAR gammaやPPAR gammaが発現する遺伝子と協調作用を行いまたPPAR alphaとも協調作用しミトコンドリアの脂肪代謝やエネルギー代謝をつかさどることが報告されている.本検討によりPPARGClAのSNPの差はNAFLDNASHの発症のメカニズムの一因になることが示唆された. |
索引用語 |
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