セッション情報 |
シンポジウム8.
NAFLDの病態・予後・治療
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タイトル |
S8-09 非ウイルス性肝細胞癌発生におけるNASHの関与
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演者 |
杉町圭史(九州大学消化器・総合外科) |
共同演者 |
武冨紹信(九州大学消化器・総合外科), 前原喜彦(九州大学消化器・総合外科) |
抄録 |
【はじめに】非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は近年増加しているメタボリックシンドロームと関連があると言われ非ウイルス性肝細胞癌(HCC)の成因の一つとして注目されているがその詳細は明らかでない今回NASHの肝発癌における意義を明らかにするためにt非ウイルス性HCC手術症例の臨床病理学的因子およびその非癌部肝組織における脂肪化線維化の意義について検討した.【対象】当院にて1995年から2005年までに施行したHCCに対する初回肝切除手術362症例を対象とした.非ウイルス性59例HBsAg陽性64’瘁C HCVAb陽性225例HBsAg/HCVAb陽性14例であった.【結果】[1]非ウイルス群の特徴としてウイルス陽性群と比べて糖尿病合併率が有意に高く(392%)body mass index値が有意に高かった(23.9).肝機能では非ウイルス群はプロトロンビン値アルブミン値が有意に高くASTALTICGR15値が有意に低かった.非ウイルス群はHCV陽性群に比べて無再発生存率が有意に良好であった.[2]非癌部肝の組織学的検討では10%以上の脂肪化を18例(31.6%)に認めた18月中でlobu-1ar hepatitisの所見があったのは8例(14.0%)であったがアルコール多飲歴がなく最終的にNASHと診断された症例は3例(5.3%)であった. NASH3症例中2例にDMHTの生活習慣病合併を認めた. F3以上の肝線維化を3例中2例に認めた.また脂肪化がないものの特発性肝硬変を来たしておりburned out NASHの可能性があるものが5例(&8%)認められた【まとめ】非ウイルス性HCC症例は肝機能が比較的良好で糖尿病や肥満の合併が多く生活習慣病との関連が示唆された.非ウイルス性HCC症例では高率に非勢部の脂肪肝を認めたが臨床・病理学的にNASHと確定診断できたものは少なかった.非ウイルス性HCC肝切除症例におけるHCCの背景要因としていわゆる「NASH」の頻度は多くないと考えられた. |
索引用語 |
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