セッション情報 |
シンポジウム9.
ウイルス肝炎・肝癌に対する生体防御
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タイトル |
S9-07 細胞内ウイルスセンサーおよび自然免疫系制御分子とPEG-IFN/ribavirin併用療法の治療効果
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演者 |
朝比奈靖浩(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 |
泉並木(武蔵野赤十字病院消化器科), 三宅祥三(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 |
【目的】PEG-IFN/ribavirin(RBV)併用療法の約20%は治療中HCVが減衰しない不応例(NVR)であるがこの機序は不明で治療前予測も困難である. HCV排除には細胞内ウイルスセンサーRIG-1とアダプター分子IPS-1を介する自然免疫が重要でありHCVはIPS-1を標的として自然免疫から逃避することがin vitroで示されている.しかしRIG-1/IPS-1系およびその調節因子と治療効果さらにHCV変異との関連は不明であり臨床的意義は未解明である今回臨床検体を用いこれらを検討した【方法】PEG-IFN/RBV併用療法を施行した1b高ウイルス量のC型慢性肝炎74例を対象とし治療直前の生検肝組織におけるRIG-L IPS-1MDA5LGP-2特異的ubiquitin-E3 ligase(RNF125)ubiquitin様修飾蛋白(ISGI5)やその解離分子(USPI8)のmRNA発現をRTD-PCR法により定量し且CV変異および治療効果との関連を検討しさらに治療中の末梢血単核球(PBMC)中の遣伝子宝現を経時的に解析した.【成績】C型慢性肝炎におけるIPS-1以外の肝内発現量は非HCV肝疾患に比し2-8倍高値でPEG-IFN/RBV投与により6から102倍のPBMC中の誘導を認めた.一方t IPS-1発現は比較的constitutiveであったRIG-1MDA5LGP-2ISG15およびUSPI8はNVR群でSVR群に比し有意に15-4倍高発現していたがIPS-1とRNFI25はNVR群で有意に低発現で特にRIG-1/IPS-1比またはRNF125比はNVRと関連を認めた(NVR:SVR=L3:0.42.3:0.8).一方HCVコア変異(R70QL91M)もNVRに関与していたが多変量解析ではISG15またはUSPI8発現およびRIG-1/IPS-1比と血小板数がNVRに関与する有意因子であった. ROC解析ではISG15USPI8発現およびRIG-1/IPS-1比のAzは0.9以上で治療効果予測に有用であった.【結論】PEG-IFN/RBV療法NVRでは治療前の肝内RIG-1ISG15USPI8発現が元進していたがIPS-1およびRNF125発現は低値であったRIG-1/IPS-1系の遺伝子発現はHCV抵抗性と密接に関与しておりこれらの解析は治療効果予測に有用と考えられた |
索引用語 |
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