セッション情報 |
シンポジウム10.
胆膵画像診断の進歩
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タイトル |
S10-01 膵切除術におけるMulti slice CTの有用性
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演者 |
堀口明彦(藤田保健衛生大学胆・膵外科) |
共同演者 |
石原慎(藤田保健衛生大学胆・膵外科), 宮川秀一(藤田保健衛生大学胆・膵外科) |
抄録 |
【目的】多軸検出器を有するMUItislice CT(MS-CT)の進歩は著しく多断面構成像では膵管胆管の描出局所の微細構造の描出も可能となった.3次元構築像は動脈門脈胆管膵管の任意の角度からの評価が可能である.教室では進展度診断に加え術式のシミュレーションにMS-CTを用いている.そこで膵切除術式決定におけるMS-CTの有用性について報告する.【方法】過去6年間に教室で施行した膵切除例204例を対象とした.64列MS-CTを用い早期動脈相後期動脈相門脈相を撮像した. multiplanarreconstruction画像と血管膵管胆管構築像をワークステーション上のモニタで読明した.【臓器温存膵切除術】良性疾患やlow grade malignancyに対して臓器温存術式が選択され術後QOLが向上した.十二指腸胆嚢胆管を温存した十二指腸温存膵頭切除術では各温存臓器への血流(膵頭動脈アーケイド)の温存が術後合併症防止に重要であり3D動脈構築像は極めて有用である.腹腔鏡下平動静脈・脾温存膵体尾部切除術では病変脾静脈脾動脈の位置関係を腹腔鏡からのviewを想定したシミュレーションが有用である.膵多発病変に対するmultiple pancreatectomyには膵管に沿ったcurvedmultiplanar reconstruction(CMPR)画像の構築で病変と主膵管との関係を術前に把握できる.【流入動脈先行切離による膵頭十二指腸切除術】膵頭部流入動脈である下膵十二指腸動脈(IPDA)を手術の前半に結紮することで欝血を防ぎ出血量を減少させることができる.この術式にはMS-CTの血管構築像による術前術中のIPDAの分岐形態の確認が重要である. IPDAの分岐形態は第一空腸枝と共通管を形成しているタイプ(722%)上腸間膜動脈から直接分岐するタイプ(18.8%)前下膵十二指腸動脈と後下膵十二指腸動脈が別々に分岐するタイプ(9。0%)の3タイプに分類された.【結語】MS-CTは膵切除術式における術前シミュレーションに極めて有用である. |
索引用語 |
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