セッション情報 シンポジウム10.

胆膵画像診断の進歩

タイトル

S10-04 胆膵領域におけるFDG-PET検査の意義

演者 伊佐勉(豊見城中央病院外科)
共同演者 山元啓文(豊見城中央病院外科), 城間寛(豊見城中央病院外科)
抄録 【目的】FDG-PET検査は各種悪性疾患の診療に利用されるようになっているが胆膵領域での位置づけについてはいまだ明確ではない.今回われわれは胆魂疾患に対するFDG-PET検査施行症例を検討し胆膵領域におけるFDG-PETの有用性や今後の活用方法について考察したので報告する.【対象および方法】約3年6ヵ月間に肝胆膵疾患にてFDG-PET検査を施行した127例を対象とした.最終診断は肝内胆管癌17例胆管癌19例胆嚢癌10例十二指腸乳頭部癌7例膵癌34例などであった.腫瘍マーカーtCTなどの各種画像検査切除標本病理検査臨床経過などと対比しPDG-PETの有用性をretrospectiveに検討した.【成績1肝内胆管癌は16例中16例(100%)で明瞭なFDG異常集積を認めたが炎症性腫瘤でも異常集積を認めた.1例で腎癌が発見された.肝外胆管癌は19例中14例(73.7%)で異常集積を認めたが胆管炎でも集積する症例を認めた.1例はエコー検査造影CT検査にて診断し得なかった肝転移を指摘し手術を回避することができた.胆嚢癌は10例全例で原発巣に異常集積を認めた.しかし悪性を否定できず施行した胆嚢炎症例4例中3例で異常集積を認め黄色肉芽腫性胆嚢炎などの胆嚢炎との鑑別は困難であった.悪性を否定できずに施行した胆嚢ポリープ10例中異常集積を認めた症例はなかった.十二指腸乳頭部癌7例で異常集積を認めたのは1例(14.3%)のみであった.その1例は粘膜内癌であったがPET/CTにて十二指腸乳頭部に異常集積を指摘しえた.再発診断に関してはPET/CT検査で断端再発を診断し得た症例もあった.膵癌では34例中33例(97.1%)で異常集積を認めたが腫瘤形成性膵炎でも集積を認める症例もあった.所属リンパ節転移の診断能は低かったが予期せぬ遠隔転移の診断再発診断には有用であった.【結語】胆膵疾患におけるFDG-PET検査は良悪性の鑑別は診断には限界があるが予期せぬ遠隔転移の検出や再発診断に有効であった.
索引用語