セッション情報 |
シンポジウム10.
胆膵画像診断の進歩
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タイトル |
S10-05追加 胆膵疾患におけるFDG-PETの有用性
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演者 |
斎宏(広島大学大学院分子病態制御内科学) |
共同演者 |
佐々木民人(広島大学大学院分子病態制御内科学), 茶山一彰(広島大学大学院分子病態制御内科学) |
抄録 |
【目的】FDG-PETは新しい核医学的画像診断法であり悪性腫瘍に対して非侵襲的でかつ簡便な検査法として期待される.近年様々な腫瘍でFDG-PETの良悪性鑑別の有用性が報告されてきた今回われわれは胆膵病変に対してFDG-PETを施行しその有用性について検討した」方法】2005年3月から2007年9月まで当科にて経験した膵疾患中でFDG-PET検査を施行した胆膵病変102例(膵病変81例胆道病変21例)を対象とした確定診断は画像または病理学的に行った.FDGの集積はStandard UptakeValue(SUV)を用いて半定量的に評価しSUV = 2.0をカットオフ値として主病巣および転移巣の集積を評価した.またtSUVの1時間値および2時間値(delayed scan)を比較して良悪性の診断に有用であるか検討した.【成績】膵病変においてFDG集積を悪性所見とした場合の感度は94.6%特異度は79.5%であったさらにFDG集積およびdelayed scanでの上昇を悪性所見とした場合の感度は892%特異度は932%であった.FDG集積及びdelayed scanの上昇をPET陽性(悪性診断)とした場合疾患別のPET陽性率は膵管癌で93.5%慢性膵炎14.3%IPMN25%膵内分泌腫瘍25%SPT25%であった.続いて切除膵i管癌17例においてPET陽性は8&2%であり偽陰性はすべて麟径20㎜以下であった.また12例に1群以上のリンパ節転移陽性を認めたが術前に診断できたものはなかった.胆道病変において悪性病変の診断率は胆嚢癌(進行)100%胆管癌7L4%であった.良性病変(胆管狭窄胆嚢壁肥厚)の擬陽性33.3%でありまた胆道ドレナージ施行症例ではルート部に高率に集積を認めた.【結論】FDG-PETはdelayed scanを用いることで膵病変の良悪性診断に有用であったが小病変やリンパ節転移の偽陰性には注意を要する.また胆道病変に対しては必ずしも十分な診断率とは言えない. |
索引用語 |
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