セッション情報 |
シンポジウム10.
胆膵画像診断の進歩
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タイトル |
S10-06 膵疾患スクリーニングとしてのMRI拡散強調画像(DWI)の有用性の検討
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演者 |
牛尾純(昭和大学附属豊洲病院内科) |
共同演者 |
長谷川真(昭和大学附属豊洲病院放射線科), 松川正明(昭和大学附属豊洲病院内科) |
抄録 |
【目的】ハイリスク因子の設定が不十分でありスクリーニング法の確立されていない膵癌の早期発見は現在でも困難を極める.当院では腹部MRI撮像の際全例にDWIを付加しており画像診断の一助としている.これまで報告してきた膵疾患におけるDWIの特徴をふまえ膵癌スクリーニング検査としての妥当性について検討した【方法】MRI装置としてGyroscan NT intera(Philips社製)あるいはMagnetonAvanto(Siemens即製)を使用し2003年8月から2007年10月までに当院で撮像した腹部DWI4156例のうち膵疾患74例を対象としたE内訳は急性膵炎23例慢性膵炎14例膵癌21例.膵管内乳頭腫瘍(以下IPMN)16例でDWI高信重壁を各画像や組織像と視覚的に対比した.また一部の症例ではapparent diffusion coet丘cient(以下ADC)値を測定し客観的指標とした。【成績】急性膵炎と膵癌原発巣は全例でDWI高信号を呈しほぼ同等のADC値(IJ8±0.21×10’31.24±0.19×10-3)を有していた.慢性膵炎のADC値は前2者に比して高値(1.69±0.27×10-3)であった.IPMNを含め膵嚢胞性病変はDWI単独での指摘は困難であった.膵癌転移巣でも肝転移77.8%リンパ節転移81.8%と高率にDWI高信号を呈しており最小で7mm大の肝転移の指摘も可能であった.【結論】DWIは感度や視認性に優れており膵疾患の拾い上げに有用であった.また十分な空間分解能を有しており微細病変の描出も可能と思われた.T1およびT2強調画像も同時に撮像するためオリエンテーションもつきやすくスクリーニング検査として有用であると考えられた. |
索引用語 |
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