セッション情報 シンポジウム10.

胆膵画像診断の進歩

タイトル

S10-08 胆膵疾患における第2世代超音波造影剤Sonazoidと造影新手法を用いた造影超音波の新展開

演者 祖父尼淳(東京医科大学消化器内科)
共同演者 糸井隆夫(東京医科大学消化器内科), 森安史典(東京医科大学消化器内科)
抄録 【目的】次世代低音圧性超音波造影剤Sonazoidは従来の高音圧性超音波造影剤Levovistに比べ超音波による粒子の崩壊が少なくtリアルタイム性と高分解能な造影像が得られる.今回Sonazoidを用いたdyanamic imaging(DI)および微細血流映像法micro flow imaging(MFI)を胆膵疾患の診断に応用しLevovistを用いたCE-USとの比較検討を行った.【方法】対象は当科でICが得られSonazoidおよびLevovistの両者にてCE-USをおこない外科切除または生検にて組織学的確証が得られている罰則病変50例である.内訳は膵癌20例SPT 2例転移性膵腫瘍3例膵内分泌腫瘍3例s膵嚢胞性腫瘍3例腫瘤形成性膵炎4例胆管癌6例胆嚢癌9例である.超音波装置は東芝社SU Aplio超音波造影剤はSonazoidおよびLevovistを用いたSonazoidではDIおよびMFILevovistでは既報の方法にて病変部とその周辺部分の血流動態微細な血管構造を観察し両者における微細血管の描出の程度と診断の正確性を評価した.【成績】ほぼ全例において両者同一の染影像を呈したがSonazoidによるMFIではLevovistに比べ腫瘤内の微細な血管構造がリアルタイムに観察できた.特にTS1膵癌ではより明瞭な腫瘤の描出および内部の微細な血管構造を描出し得たまたSPTや腫瘤形成性膵炎ではLevoVistで描出し得なかった腫瘤内に入り込む微細な血管構造を描出できた胆嚢癌胆管癌では腫瘍に入り込む樹枝状の不整な腫瘍血管を描出し得た.両者における診断一致率は85%Sonazoidを用いた際の血流動態の描出向上率は10%診断向上率は8%であった.これまでより何回かの観察が可能であること腫瘤内の微細な血管構造血流動態を詳細に観察しうることにより良悪性の鑑別の一助になり得る点で有用である.【結論】CE-USは低侵襲診断法であるが次世代超音波造影剤SonazoidとDIMFIを用いることにより腫瘤内の微細な血管構造を描出でき従来のLevovistによるCE-US以上に診断能の向上が期待される
索引用語