セッション情報 |
シンポジウム10.
胆膵画像診断の進歩
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タイトル |
S10-09追加 三次元造影超音波による胆膵疾患診断に対する有用性の検討
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演者 |
天野歩(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター) |
共同演者 |
沼田和司(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター), 杉森一哉(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター) |
抄録 |
【目的】自動スキャン可能なリアルタイム3Dと新規超音波造影剤Sonazoidと組み合わせて三次元造影超音波検査が可能となった.われわれは三次元造影超音波による胆膵病変の診断の有用性について検:討した.【方法】US装置はGE社LOGIQ 7リアルタイム3D probe造影ソフトはCHA modeを使用.撮像方法は推奨された用量よりも少量のSonazoidをbolus injectionし注入後日60秒までは腫瘍血管と腫瘍濃染を観察.次に約120秒後病変部の腫瘍濃染と病変の広がりをさらに300秒以降に肝転移の有無等を観察した.対象は当院で病理学的に診断された膵臓癌10例(うち膵全体癌1例)膵内分泌腫瘍1例自己免疫性膵炎1例黄色性肉芽腫性胆嚢炎胆嚢腺筋腫症と炎症性ポリープの合併1例胆嚢癌5例(うち胆泥との合併1例胆石との合併2例)の計18症例で検討した.【成績】三次元造影超音波では一回の自動撮影で広範囲に腫瘍部と非腫瘍部の観察が可能であり腫瘍血管濃染病変の広がりの観察に適していた膵内分泌腫瘍は明らか腫瘍血管と強い濃染を呈し自己免疫性膵炎は腫瘍全体に微細な血管が描出後腫瘍全体が染まった.膵臓癌では屈曲した腫瘍血管の描出後腫瘍全体(2例)もしくは辺縁部のみが染まった(8例).さらに造影エコーでは副膵菅の拡張や膵周囲の脈管の浸潤の有無肝転移の有無も同時に観察可能であった.胆嚢病変では濃染の有無によって胆泥とそれ以外の胆嚢隆起性病変との鑑別が容易に可能であった.また腫瘍血管の性状により胆嚢癌とそれ以外の胆嚢腫瘍との鑑別に有用であったまた胆嚢癌では胆嚢内の病変広がりと肝臓への浸潤の評価に有用であった.一方肝微小浸潤の原因が癌によるか炎症によるかの鑑別は困難であった.【結論】今後症例の積み重ねが必要であるが三次元造影超音波は膵腫瘍胆嚢腫瘍の診断とその病変の広がり診断に対して有用と考える. |
索引用語 |
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