セッション情報 シンポジウム10.

胆膵画像診断の進歩

タイトル

S10-11 造影ハーモニックEUSによる胆膵疾患の診断

演者 北野雅之(近畿大学内科・消化器内科学)
共同演者 坂本洋城(近畿大学内科・消化器内科学), 工藤正俊(近畿大学内科・消化器内科学)
抄録 【目的】第二世代超音波造影剤対応の造影モードを搭載した広帯域EUS装置を用いて胆膵疾患診断における造影ハーモニックEUS検査(CE且一EUS)の有用性を検討した.【方法】Study A:消化器疾患スクリーニング目的でドイツBethesda病院を受診した104例を対象としSonoVueを用いたCEH-EUSを施行したプロトタイプコンベックス型EUSスコープを用いてそれぞれの病変の血管構築を観察し造影パワードブラEUS画像(CED-EUS)と比較した. Study B:当院において膵疾患が疑われた145例に対してCEH-EUSを施行した.同上のスコープを用いてSonazoid投与後門をリアルタイム(M=O.3)で観察し膵病変の存在および鑑別診断能をBモードEUS(EUS)およびMDCTと比較した.【成績】StudyAおよびBにおいて造影剤投与後膵における実質染影像および微細血流像が観察された(SOnoVue:2分以内Sonazoid:3分以上持続)造影により膵管および胆管は周辺膵実質との間で強いコントラストが得られその輪郭が明瞭に描出された.Study A:CEH-EUSでは膵腫瘍(5/6)胆道癌(2/2)内に微細な腫瘍内血流が観察された.一方CED-EUS検査ではBloomingを伴った血流信号が描出されたがCEH-EUSで見られた微細血流および実質染影像は得られなかった.Study B:145例中54例が切除あるいはEUS-FNAにより病理診断され通常型膵癌は34例であった.CEH-EUSにおいて内部が不均一に染影され周辺膵実質と比較するとhypOvascularである腫瘍を通常型膵癌とした場合感度94%特異度85%正診率91%であった.内分泌腫瘍3例中1例IPMN4例中2例(壁在結節)がMDCTにて描出されなかったがCEH-EUSではhypervascular病変として描出された.慢性膵炎に伴う仮性嚢胞3例がEUSでは内部の輝度が周辺膵実質と同等であったため輪郭が不明瞭であったが造影により明らかなhypovascular病変として描出された.【結語】元来高分解能であるEUSに造影によるPerfUsion im・agingが加わり膵病変の存在および鑑別診断能が向上することが期待される.
索引用語