セッション情報 |
シンポジウム10.
胆膵画像診断の進歩
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タイトル |
S10-14 MDCTとEUSによる小膵癌(TS1)診断
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演者 |
一箭珠貴(手稲渓仁会病院消化器病センター) |
共同演者 |
真口宏介(手稲渓仁会病院消化器病センター), 高橋邦幸(手稲渓仁会病院消化器病センター) |
抄録 |
【目的】Multidetector-rowCT(以下MDCT)とEUSの組み合わせで小膵癌(TS1)診断が可能か否かを検討する.【対象と方法】2007年7月までに当センターで経験した通常型膵癌452例(切除94非切除358)のうち病理学的にTS1であった23例(T15T316T42)を対象としMDCT導入以前(2003年10月まで)の6例(helical CT群)と導入後の17例(MDCT群)に分けて検討した.尚撮像法はhelicalCTでは膵実質相と平衡相の2相でスライス厚5mmMDCTは膵実質相門脈相遅延相の3相でスライス厚2mmとした.検討項目は1存在診断として(1)CTでの1)病変指摘率2)間接所見指摘率(2)EUSによる低エコー腫瘤描出率II.質的診断としてMDCTとEUSの組み合わせで膵癌と診断し得たかどうかとした.膵癌の診断としてはCTでは膵実質相でのlow density area(以下LDA)とMDCTでの平衡相での遅延濃染としEUSは低エコー腫瘤の辺縁不整あるいはnodularな所見とした.【結果】1(1)一1)膵実質相でのLDAはhelical CT群17%(1/6)MDCT群75%(13/17)であり遅延相での濃染所見を加えると88%(15/17)に指摘可能であった.2)両群とも全例に間i接所見がみられた.(2)EUSでは全例に低エコー腫瘤像を描出した.II. MDCTにてLDAと遅延濃染の両者を認めたのは52.9%(9/17)でありEUSでは94%(16/17)に辺縁の変化を認めMDCTとEUSを組み合わせることで全例に膵癌の診断が可能であった.【結語】MDCTによりTS1膵癌の病変指摘率が88%と飛躍的に向上したまた腫瘤を描出し得ない例に対しても間接所見を拾い上げEUSを施行することで全例に診断可能であった. MDCTとEUSの組み合わせが効率の良い小膵癌の診断体系と言える. |
索引用語 |
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