セッション情報 シンポジウム10.

胆膵画像診断の進歩

タイトル

S10-15 0-IIb胆嚢癌の精密診断-経胆嚢管的胆嚢内視鏡併用の意義-

演者 宮田英樹(会津中央病院消化器病センター)
共同演者 佐藤一弘(帝京大学附属ちば総合病院放射線科), 岩尾年康(会津中央病院消化器病センター)
抄録 【はじめに】超音波検査・胆嚢二重造影・洗浄胆汁細胞診を組み合わせれば隆起成分のない平坦な粘膜内癌も診断できる.しかし類似した粘膜表面構造を示していても癌は既に漿膜下層へ深部浸潤する例もある.【目的】様々な粘膜診断法を用いて詳細に描出した粘膜表面構造から癌の浸潤様式や悪性度の推定を行うことを目的にした.【対象と方法】粘膜表面の描出には1.胆嚢二重造影2.3DCTを利用した仮想内視鏡3.親子式の細径内視鏡を直接胆嚢内に進めた胆嚢内視鏡を用いた1.は既に報告した方法で行った.264列のMDCTをワークステーションにより胆嚢粘膜を作成した.3は経口胆道鏡(CHF-BP260)を用い粘膜の拡大観察とNBIを行った.今回は胆嚢30例(早期癌4例胆嚢炎22例胆嚢腺筋腫症4例)を対象にした.術前に診断した所見は切除後に標本を用いたレントゲノグラム粘膜の拡大観察NBIを行って対比し所見の確からしさを検討した.【結果】胆嚢粘膜はいつれの検査法でも行えた.微細粘膜構造の描出は二重造影が優れていた.粘膜の色調の変化は直接内視鏡で行えた.とくに0-IIbの病変では退色調で中心にやや陥凹部と周辺からの粘膜集中の所見は漿膜下層へのmassiveな浸潤と判定しうる有用な所見であることが分かった.一方表層拡大のある0-Hbは拡大内視鏡で大小不揃いの退色した穎粒状粘膜として観察された.これらの粘膜異常を慢性胆嚢炎や胆嚢腺筋腫症では認められなかった.【まとめ】切除標本の検討では0-IIbにおいて粘膜表面にみられる粘膜の集中や硬化の所見は癌の深部漿膜下層への浸潤と診断できる仮想内視鏡や二重造影で深部浸潤の確診できない0-Hb例には胆嚢内視鏡検査は極めて有用な可能性を有した検査法であると考えられた
索引用語