セッション情報 シンポジウム10.

胆膵画像診断の進歩

タイトル

S10-16追加 経口胆道鏡検査による胆管粘膜表層拡大進展の診断能

演者 河上洋(北海道大学消化器内科学)
共同演者 近藤哲(北海道大学腫瘍外科学), 浅香正博(北海道大学消化器内科学)
抄録 【目的】限局型胆管癌に対する電子経口胆道鏡検査(POCS)による胆管粘膜表層拡大進展(表拡)の診断能の現状を明らかにすること【対象と方法】2004年4月から2007年4月目でに表拡の可能性がある限局型胆管癌に対してPOCSを施行した根治的切除32例(男女比3:1)年齢52-80歳(中央値72歳)を対象とした検討項目は1.主腫瘍の肉眼形態2.POCSによる観察範囲3. POCS単独の表拡正親率国士所見4表拡診断不能部位5.POCS関連手技による合併症とした.【結果】1.乳頭膨脹型12例結節膨脹型20例.2.腫瘍による胆管狭窄部を通過したのは28例でありその全例で肝門部の観察が可能であった4例は腫蕩による高度狭窄により上部胆管より肝門側への通過は不能であった3.腫瘍による高度狭窄を通過した例では78.6%(22/28)でありやや発赤した不整な穎粒状粘膜を呈していた4POCSが狭窄部位を通過不能であった4例は何れも主病変に対して肝門側および十二指群団にも表拡が認められた.そのうちの2例は十二指腸側の表門診断が不能であったPOCSでの評価が十分であった診断不能6例の内訳は主病変に対して肝門側のみの衷拡が1例主病変の肝門側および十二指腸側の一心が5日目認められた(そのうち肝門側2例十二指腸側2例肝門側および十二指腸側の両側1例の表拡診断が不能であった)これらの表拡診断不能例は切除標本肉眼所見では異常の指摘が困難であった.病理組織学的には一層の平坦な癌上皮からなっていた.5急性胆管炎が4例にみられたが何れも軽症であり保存的治療により軽快した.また急性膵炎はみられなかった.その他重篤な合併症は認められなかった.【結論】POCSの高画質画像によって胆管粘膜表層拡大進展の診断が可能であったが約20%の症例では一層の平坦癌上皮のため存在診断不能であった.粘膜表層拡大進展を呈する限局型胆管癌は消化管癌とは異なる進展形式を示すため診断の限界を踏まえた上での治療方針の決定が必要である.
索引用語