セッション情報 シンポジウム10.

胆膵画像診断の進歩

タイトル

S10-17追加 細径内視鏡による胆道疾患へのアプローチ

演者 森昭裕(犬山中央病院消化器内科)
共同演者 建部英春(犬山中央病院消化器内科), 酒井勝央(犬山中央病院消化器内科)
抄録 【目的】細径内視鏡は経鼻挿入による上部消化管内視鏡検査を可能にしただけでなく細くて柔らかい特徴を生かした新しい内視鏡手技への応用が期待される.われわれはこの特徴を生かし経鼻細径内視鏡によるERCPENBD(n-ERCP)qGastroentero12006:41:1237-8)や経胃痩的挿入によるERCPERBD(PEG-ERCP)(Endoscopy 2007 ; 39:E1)さらには細径内視鏡を経十二指腸的に直接胆管内に挿入し診断治療を行う直接的胆管内視鏡(direct chblangioscopy:DC)を報告してきた(Endoscopy in press).今回これら手技の実際を紹介する.【方法】内視鏡はFTS-EG530N(径5.9mm前方視)を使用したLn-ERCP:内視鏡を経鼻ルートで挿入十二指腸で内視鏡を反転し(Uターン)乳頭を正面視する.ERCP用造影カテーテルを鉗予孔(2 mm)より挿入しERCPを施行必要に応じてENBDを行う.2. PEG-ERCP:胃痩チューブを抜去しここより内視鏡を挿入n-ERCPと同様の手技でERCPERBDを行う.3.DC:EST後症例を対象とする. A.下部胆管への挿入:n-ERCPと同様に十二指腸乳頭をUターンで正面視し引き入れることで内視鏡先端が胆管内に挿入されるB中部上部胆管への挿入:まず十二指腸下行脚乳頭肛門側に止血用バルーンを留置.内視鏡先端が胆管内に挿入された後バルーンを拡張しこれを支点として胆管内に押し入れ胆管上流へ挿入する.【成績】1.n-ERCPは38例n-ENBDは17例に行った.膵管挿管率91%胆管挿管率76%.2. PEG留置状態かつ開口困難症例2例に施行.いずれもERCERBD可能であった.3. EST併用胆管結石砕石術後で遺残結石が疑われた7例に施行(全例経鼻的挿入).いずれも胆管内観察(FICE含む)が可能であった.遺残結石に対してはEHLなどで砕石し除去したいずれの手技も重篤な偶発症なし.【結論】細径内視鏡により胆道疾患への新しい内視鏡診断治療法の可能性がもたらされた.
索引用語