| セッション情報 |
パネルディスカッション1.
消化器領域におけるゲノム解析の現状と展望
|
| タイトル |
PD1-01 高密度SNPアレイによる網羅的検索により明らかとなった大腸癌におけるChromosomal Instabilityと臨床病理学的背景因子ならびに予後との関連
|
| 演者 |
多田素久(東京大学消化器内科) |
| 共同演者 |
金井文彦(東京大学消化器内科), 小俣政男(東京大学消化器内科) |
| 抄録 |
【目的】これまで我々は大腸癌細胞株および大腸癌手術検体を対象に高密度SNPアレイを用いてChromosoma1 instabhity(CIN)の網羅的解析を行ってきたSNPアレイを用いることにより過去に報告のないものも含め多数のCINが存在することを見出してきた.今回それらのCINと臨床病理学的背景因子および生存予後との関連を検討した.【方法】AffYmetriX GeneChipHuman Mapping 100K Setを用いた大腸癌細胞株35種目よび大腸癌外科切除20例の解析から明らかとなったCINのうち過去に大腸癌との関連の報告のない14遺伝子を選択し大腸癌手術検体64例を対象に10遺伝子につきQuantitative rea1-time genomic PCRにより遺伝子増幅の解析を4遺伝子につきLOH解析を施行した.【成績】遺伝子増幅についてはAMP1(Chr. 8q24)が42/64AMP2(8q23)が38/64AMP3(7p15)が31/64AMP4(7p21)が28/64およびAMP5(7p21)が27/64と解析した10遺伝子のうち5遺伝子で40%以上の症例でコピー数3以上の増幅を認めた.LOHについてはDEL1(4q22)が29/61DEL2(6q26)が24/57DEL3(16p13)が33/59DEL4(20p12)が39/63と解析した4遺伝子のすべてで40%以上の症例で陽性を示した.これらのCrNと手術検体の臨床病理学的背景を検討したところCINの頻度の高い症例では有意にリンパ節転移陽性を示した(p〈0.05).またDUKES分類ABの症例ではLOHの少ない症例で有意に全生存率無再発生存率が高かった(p<0.05).【結論】高密度SNPアレイ解析から明らかとなったC]㎜はtリンパ節転移と相関がみられたことから治療方針の決定に有用であると思われる.またより進行度の低い大腸癌ではLOHの有無が予後予測のマーカーになりうると考えられた. |
| 索引用語 |
|