セッション情報 パネルディスカッション1.

消化器領域におけるゲノム解析の現状と展望

タイトル

PD1-04 先進医療となったCYP2C19遺伝子多型に基づくテーラーメイドのH.pylori除菌療法

演者 古田隆久(浜松医科大学臨床研究管理センター)
共同演者 杉本光繁(浜松医科大学第一内科), 伊熊睦博(浜松医科大学第一内科)
抄録 緒言:演者等はCYP2C19の遺伝子多型によるPPIのPKの違いに注目しその臨床的意義をH. pyloriの除菌療法とGERD治療において検討してきた.そしてCYP2C19多型に基づくH. pyloriのテーラーメイドの除菌療法を先進医療として認可された.これは本邦で初めて研究ベースではなく医療制度として認められたゲノム情報に基づく個別化治療である、よってその内容を報告する原理:正1pyloriの除菌療法はPPIとAMPC及びCAMからなる三剤療法が標準療法であるがPPIの代謝が速い形質(CYP2C19*1/*1)ではPPIの代謝が速く十分な胃酸分泌抑制効果が得られないために抗生物質の胃内での安定性が保たれず除菌に失敗しやすい.そこでPPIの増量やH2RAの併用を必用となる.実際PPIの用量を増量したりH2RAを併用することにより除菌率は向上する. H.pyloriのCAM耐性も除菌の成否に大きく関わるがH. pyloriのCAM耐性も遺伝子検査で判明する.そこで当院では胃粘膜生検組織(Le.RUTに使用した検体)よりDNAを抽出しH. pyloriのCAM耐性遺伝子変異とCYP2C19多型を検査してテーラーメイドの除菌療法を行っている.HpyloriがCAM耐性では二剤PPI/AMPC療法を行いPPIをCYP2C19多型に応じて増量分轄投与しAMPCは20gを4分轄で投与で2週間治療をしている. E pyloriがCAM感受性ではCAM O.4g分二にAMPC 1.5g眉間を一週間投与しPPIの用量をCYP2C19多型に応じて増減している.結果:事前の前向き検討では標準療法群での除菌率70%(105/150)に対してテーラーメイド群では96%(144/150)であった(P〈0.001)2007年8月より先進医療として運用開始している.2007年9月末までに除菌判定をしえた9名で全例除菌に成功している.結論:先進医療となったCYP2C19遺伝子多型に基づくテーラーメイドのH. pylori除菌療法は高い除菌率が得られるため}Lpylori感染症の有用な治療戦略であると考えられた
索引用語